「ハイジュエリーのコレクション〈レ・フォルム・ド・ラ・クルール〉は、色で形を表現しています。
私は色というこの根源的な現象―とくにエルメスにおける、色彩―を表現し、自律的で独立した、強いアイデンティティを確立する方法を見つけたいと考えました。」
ピエール・アルディ エルメス ジュエリー部門 クリエイティブ・ディレクター

色が生まれるのは目の奥。網膜にある光受容体が刺激を受け色として認識されます。
エルメス ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクターであるピエール・アルディは、この物理現象がもたらす力を見出し、物質ならざるものである色を捕まえて、形を捉えることに成功しました。
この新たなコレクションは、ある思考のプロセス、すなわち、光の知覚をめぐる実験を描き出しているのです。

色をめぐる旅

色と幾何学的な形が共鳴するという考えにインスピレーションを得て生まれたのは、〈ポルトレ・ド・ラ・クルール〉のリング。
ルビーの赤は正方形、ベリルの黄は三角形、サファイアの青は円形……。
洗練された造形のなかで、意外な組み合わせが表現されています。

モノクロームの線で象かたどられた〈フレッシュ・ペイント〉は、石で描かれた絵画を見ているかのような錯覚を抱かせます。
宝飾細工の細やかな手仕事が躍動感をもたらし、特別な質感と量感を与えています。
神秘的で見る人を魅了するフォルムです。

〈エルメス・ディアプレ〉は、リング、ブレスレット、ネックレスに据えられたセンターストーンが色鮮やかで優しい光を放ちます。
エメラルドカットのホワイトダイヤモンドやサファイア―その輝きは、虹色に煌めくマザーオブパールの構築的なモチーフを照らし、
周囲のカラーストーンとバゲットカットのダイヤモンドによりさらに強められます。

フォルムの構築

趣向を凝らした構築的でありながら夢幻的な〈スプラカラー〉のシリーズは、光が拡散する様子を表現しています。
まばゆいトライアングルカットのダイヤモンドとルチルクォーツのプリズムを通して、黒は白へと変化し、マルチカラーの光線が出現します。

〈アルク・アン・クルール〉では、しなやかに波打つフォルムが身体の曲線に寄り沿い、優しい色合いが夢想へと誘いざないます。
独自の技法でメッシュ状に編んだブレスレットとネックレスは、卓抜した職人技の賜物です。

一方、〈カラー・フラッシュ〉は極めて幾何学的なデザインが特徴。
色鮮やかな石が敷き詰められ、まるでデジタルのピクセル画像のような表情を見せています。

デザインと職人技

エルメスは原点である馬具づくりの職人技を継承しながら、ハイジュエリーの制作においても独自のアプローチで挑んできました。
メゾンの大胆な精神に満ちた、新しいハイジュエリー。
その力強いフォルムと鮮やかな色彩によって見る人の心に鮮烈な印象を残す、これまでにないコレクションの誕生です。