SKILLS ACADEMY

スキル・アカデミー

2023-2024年のテーマ:土

中高生向けワークショップ

「土に学ぶ、五感で考える」
Earth-Life Learning

[プログラムE]

土で建てる

みんなが参加して作ることと、左官職人ならではの美しい技術、その両方が土壁の魅力だと言えるでしょう。

開催日:2024年3月30日(土)
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス

Photos by comuramai

土が壁になるとき

土で建物を建てるなんて、と思うかもしれませんが、世界の3分の1のひとは土の建物に暮らしているといわれています。日本でも昔の家は土壁が一般的で、燃えにくい性質を活かして城郭や土蔵にも用いられました。土の魅力は、老若男女問わず扱えるところ、修復しながら使い続けられるところ、そして自然に還すことができるところにあります。

富沢建材さんを見学し、様々な左官職人さんが手掛けた壁を見ました。黒、赤、黄の、きれいに磨かれた壁のサンプルは、手の汗もすっと吸い込んでいきます。さらに、土壁の土には、ワラが多く混ぜられること、表面のなめらかさを求めるならワラは細かいものを使わないと乾燥して割れ目が入ってしまうこと、さらに水はけのよい地域では海藻糊も混ぜ入れて作業中の土壁の水持ちをよくすることなど、左官に関する具体的な工夫を教わりました。

左官職人ってどんなひと?

左官コテを手に取る前に、やらなければいけないことはたくさんあります。まず木舞を掻く作業です。縄の動きは複雑で、都倉さんがやって見せてくださるのを見様見真似で学んでいきます。しっかりきれいに締まると気持ちがいいものです。

次は土を練る作業。関東地方の、粘性の高い深谷粘土に、水とワラをどんどん入れて、足で踏みます。何人かでぐんぐんと踏み続けると、ワラが土に絡み、水も馴染んで、粘りのあるしなやかな土ができあがっていくのです。これこそ民の技。

いよいよコテとコテ板を持って壁に対峙します。板の上に土を乗せ、その一部をコテで切り分けながら、板そのものを垂直にして土をコテに渡します。そしてコテを木舞に押し付け、竹のあいだに食い込ませるように乗せ、木舞に土を抱かせるのです。都倉さんはあっというまに一面を塗り終えてしまいました。「手首、肘、肩、どこか一か所だけ動かすこと。すべてが同時に動いてしまっては安定したコテの運びができないのです。」

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講師

山田宮土理 Midori Yamada
(土建築研究者 / 早稲田大学准教授)

1985年、神奈川県生まれ。早稲田大学理工学術院准教授。専門は建築構法・材料。特に土や左官の建築や、各地の土着建築、循環型建築に関する研究を行っている。

 

都倉達弥 Tatsuya Tokura
(左官職人)

1987年、東京都生まれ。大分県で5年半の修行ののち、1年ドイツに拠点を置き、フランスや南アフリカなどでワークショップを行いながら、出会った人たちと壁を塗り12か国を巡る。日本の技術、海外で得た経験と共に人により添う壁作りを目指す。2014年独立、2023年に東京にて株式会社左官都倉を設立。

このプログラムで学んだスキル

■日本の伝統的な建築技法である土壁について学ぶ。

■土壁を自分たちで作り上げ、自分たちの手で建築と関わりあう。

■職人の手による仕上がりを味わう。

■土壁に使われるさまざまな材料を知り、身の回りの自然にも、ものづくりのきっかけをみつける。