SKILLS ACADEMY

スキル・アカデミー

2023-2024年のテーマ:土

中高生向けワークショップ

「土に学ぶ、五感で考える」
Earth-Life Learning

[プログラムD]

いまここにある大地

目的地を決めずに歩くことはありますか。何をするか決めずに集まることはありますか。何を書くか決めずにノートを開くことはありますか。

開催日:2024年3月31日(日) ※雨天により延期して実施
場所:九十九里・成東にあるスタジオ NEGI

Photos by Akihiro Itagaki, Nacása & Partners Inc.

戯れ

九十九里の沿岸は、昔と大きく姿が異なり、少しずつ陸が拡大しています。この畑のあたりも海だったところなので、土に触れるとしっとりとして浜辺の砂を思い出させる感触です。ここに、生姜のおうちを作るところからワークショップが始まりました。「生姜は根暗だから湿った暗いところが好きだよ。」

今度は、自分を植えます。場所を決め、穴のイメージを膨らませましょう。掘りごたつのように膝まで入る穴、体育座りで縮こまって落ち着ける穴、腰とお尻をすっぽり包む穴…。穴に植わって昼食をとり、しばらく過ごしたあと、その穴をじゃがいもに譲るための作業を入ります。土を戻し、じゃがいもを置き、もみ殻くん炭、腐葉土を混ぜた土を掛けてあげるのです。

土に触れてかく詩と日記

大崎さんと一緒に、保良さんのアトリエを観察して言葉を集めます。「この木片、名前はわからないけれど、わたしには角のように見える。」別のひとはそれを指だと言うかもしれません。そうやって初めて言葉にする感覚を楽しみます。

みんなで畑に穴を掘っているあいだ、大崎さんは、ひとりずつ声をかけて、畑のすぐ横にある竹やぶのなかの「別室」へ招きます。参加者はそこで、一行、また一行と、順番に言葉を書いていきました。連詩の完成です。

畑の土に向き合った一日の最後に、九十九里海岸の開けた海で風を浴びました。波のなかで、大地のいちばん端の地面がたゆたうのを足で感じました。

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講師

保良 雄 Takeshi Yasura
(現代美術家)

1984年、滋賀県生まれ。日常の中で不便なものが切り捨てられている事に注目し、テクノロジー、生物、無生物、人間に優劣をつけずに並列に並べ、存在を存在として認めることを制作の目的としている。

 

大崎清夏 Sayaka Ōsaki
(詩人)

1982年、神奈川県生まれ。詩集『指差すことができない』で中原中也賞受賞。著書に『目をあけてごらん、離陸するから』『踊る自由』『新しい住みか』ほか。朗読劇の脚本や絵本の文をはじめ、さまざまな形で詩の種を蒔いている。

このプログラムで学んだスキル

■「土」を大きなスケール(大地)と、小さなスケール(自分の見つけた地面)で同時にとらえる。

■感覚がだんだんとひらかれ、土のまわりに見えるものや聴こえるものが増えるのを待つ。

■自分の言葉だけでなく周囲の言葉にも身をゆだね、表現する。