GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『マン・レイとシェークスピアの方程式』
MAN RAY et les équations shakespeariennes

驚きの発見:予期せぬ対話
2023.7.2(日)~ 7.30(日)

(c) Good To Know. Photos IHP

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2023年のテーマは「驚きの発見」。

7月は、シュルレアリスムを代表するアーティストのひとり、マン・レイが当時魅せられ、その可能性を追究した幾何学的なオブジェについての物語『マン・レイとシェークスピアの方程式』をお届けします。
 

『マン・レイとシェークスピアの方程式』
MAN RAY et les équations shakespeariennes
UN FILM DE Quentin Lazzarotto

2019年/フランス/69分/カラー/デジタル上映

脚本・監督:カンタン・ラザロット
原案:セドリック・ヴィラニ
製作:マルタン・サルモン、シルヴィー・ベンゾーニ、セドリック・ヴィラニ
撮影:ダヴィッド・グディエ
音響:ヴィクトール・ルイエ他
出演:ルイ・ロシェ=ジャンサック、ヴァランティーヌ・ベローヌ、
マーク・マーダー(マン・レイの声)

政治的、知的、芸術的混乱のさなかにあった1930年代のパリ。モンパルナスに居を構えるシュルレアリストで冗談好きな写真家マン・レイは、ソルボンヌ大学の忘れ去られた棚の中に眠る奇妙な幾何学的な彫刻を発見する。科学によって形作られたこれらの「幾何学模型」は、マン・レイに驚くべき写真と絵画作品を生み出すインスピレーションを与えた。優れたシュルレアリストとして、マン・レイはこの「方程式のオブジェ」を昇華させ、史上最も偉大な劇作家シェークスピアの作品と共鳴させていくこととなる。本作には数学者、芸術家、俳優、伝記作家、サーカスパフォーマーなどが登場し、「シェークスピアの方程式」に対して様々な解釈を示す。そしてその多様な視点と印象的な映像は、見る者を科学と芸術、演劇の自由な出会いへと導いていく。

監督について Director

カンタン・ラザロット/Quentin Lazzarotto

1988年生まれ。幼い頃から多くの短編を制作し、パリ第三大学などで映画を学ぶ。「科学を撮影する」という目標を持ってプロとしてのキャリアをスタートさせ、『アインシュタインと一般的相対性理論』('15)、『数学の版画家』('16)などのドキュメンタリーを手がける。2018年にはヴェルナー・ヘルツォークの指導の下、短編劇映画『Carlito se va para siempre』を監督。また、アンリ・ポワンカレ研究所の視聴覚部門の責任者でもあり、科学と映画にまつわる様々な企画のプログラマーとしても活躍している。

 

作品について About Film

シュルレアリストたちは、思いがけない対象からアートを生みだした。たとえば、マン・レイ(1890-1976)は、女性の裸体をバイオリンに変え、平凡なアイロンを芸術作品に転化した。そんな芸術家が、パリのソルボンヌ大学で、ほこりの積もった古い陳列棚に「数百の奇妙な物体」をみつけ、ひどく興味をもったのは当然であろう。マン・レイ自身がのちに語ったように、それは「数学者の狂気から生まれた形態」であった。

その不思議な物体は、幻想や夢の風景をあらわしているように見える。だが実際は、数式を視覚的に説明するために作られた「幾何学模型」である(現代では、模型の代わりに3DCGを使ってコンピュータ上でモデル化する)。マン・レイが幾何学模型に惹かれたのは、あらゆる解釈を許容するその抽象性のためである。彼は模型を手にいれ、それを写真に撮り、絵画に描いた。教育の道具から美の力をひきだし、科学を芸術の源泉としたのである。カンタン・ラザロットが表現したのも、科学と芸術のそのような関係である。ラザロットは、科学をテーマに映画をつくる若き映像作家であり、本作では、巧みなカメラワークと照明を駆使しながら、幾何学模型のドラマチックな喚起力をあきらかにしている。

ラザロットは「シェークスピアの方程式」の謎を解き明かそうとする。なぜ、正二十面体やエピサイクロイドが『オセロ』や『じゃじゃ馬ならし』とイコールで結ばれるのか。シュルレアリスムが偶然や神秘を好み、謎を謎のままにしておこうとする以上、ラザロットの試みは困難なものにならざるをえない。ラザロットは自分で説明的に語るよりも、美術史家、芸術家、科学者の話に耳をかたむける。「シェークスピアの方程式」と題された絵画を、彼らは学術的な見地から解説し、美しい言葉とイメージによって語り、あるいは単に面白がるのである。

役者たちがシェークスピアの作品を稽古する。サーカスの芸人はそれぞれの技を磨く。数学者は、宇宙の真理は究めがたいと認めながらも証明をつづける。彼らはみな、未知の世界を探求しているのだ。シュルレアリストが無意識を探求し、小説家が人間の内面を研究するのと同じである。芸術も科学も、抽象的なものを具体的に表現するという同じ目的を追求しているのだ。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

 

公開スケジュール Schedule

【上映日】
7月2日(日)、8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)、17日(月・祝)、22日(土)、23日(日)、29日(土)、30日(日)

【上映時間】
11:00/14:00/17:00

 

会場 Access

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。

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