GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『グッバイ、サマー』
Microbe et Gasoil

もっと軽やかに:旅の手習い
2022.12.3(土)~ 12.25(日)

(c) Studiocanal

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2022年のテーマは「もっと軽やかに」。

12月は、14歳の少年ふたりが悩み多き日常生活からの脱出を夢みて自作の車で旅するロードムービー『グッバイ、サマー』をお届けします。
 

『グッバイ、サマー』
Microbe et Gasoil

2015年/フランス/104分/カラー/デジタル上映

監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
撮影:ロラン・ブリュネ
製作:ジョルジュ・ベルマン
音楽:ジャン=クロード・ヴァニエ
美術:ステファヌ・ローゼンバウム
衣装:フロランス・フォンテーヌ
出演:アンジュ・ダルジャン、テオフィル・バケ、ディアーヌ・ベニエ、
オドレイ・トトゥ、ジャナ・ビトゥネロヴァ

日本語字幕:星加久実
協力:トランスフォーマー

ミシェル・ゴンドリーが自身の体験をもとに描く、青春ロードムービー。絵を書くことが好きな14歳のダニエルは、学校ではチビ扱いされ、華奢な体格と髪型のせいで女の子に間違われることもしばしば。片思いのローラには相手にされず、家では面倒な家族に煩わされ、思春期の悩みは尽きることがない。そんなダニエルのクラスに転校生がやってくる。テオという名のその少年は、自信家で目立ちたがり屋、機械いじりが得意で、体からはいつもガソリンの匂いを漂わせている。対照的な二人だが、隣の席になったことがきっかけで、互いを知り、友情を深めていく。ある日、スクラップヤードで小型のエンジンを手に入れたテオは、これを使って自分たちだけの車を作ろうと言い出す。そして夏休みの前夜、試行錯誤の末に完成した“夢の車”に乗って、二人は冒険の旅に出る。

監督について Director

ミシェル・ゴンドリー/Michel Gondry

1963年5月8日、ヴェルサイユ生まれ。1983年に、装飾美術学校で出会った仲間とバンド"Oui Oui"を結成。自身のバンドのために制作したMVがビョークの目にとまり、「ヒューマン・ビヘイヴィアー」のMVを依頼される。これを機に、ダフト・パンク、ケミカル・ブラザーズ、ベックなど、数々の有名アーティストのMVや、有名企業のCMを手掛ける。2001年に『ヒューマンネイチュア』で長編映画を初監督。『エターナル・サンシャイン』('04)で第77回アカデミー賞脚本賞を受賞。その後も『ムード・インディゴ うたかたの日々』('13)等の作品を送り出している。2014年、第64回ベルリン国際映画祭では審査員を務めた。

 

作品について About Film

映画監督の「作家性」はどこに表れるだろうか。たとえば、ある種の作家たちは独自のスタイルを駆使しながら、同じテーマを何度も取りあげる。ミシェル・ゴンドリーもそういう作家のひとりだ。ゴンドリーにとって創作の尽きせぬ源泉となるのは少年時代であり、本作はその少年たちの世界を正面から扱っている。前作の『ムード・インディゴ うたかたの日々』は巨額の製作費を投じた野心作だったが、ふたりの少年を主人公とする本作は、予算規模もそれほど大きくなく、技術的にも派手さはない。だが、ゴンドリーの作品に慣れ親しんだ観客はきっと本作を気にいるだろうし、ゴンドリーをあまり知らない観客は、ユーモアとメランコリーの入り混じった独自のスタイルを発見し、その着想の奇抜さに驚くだろう。そして何より、冒険の旅にでる反逆児たちを自然体で演じるふたりの少年を、絶対に好きになるはずだ。

家族とのあつれき、学校でのいじめ、性の目覚め、束縛への抵抗。ゴンドリーは思春期にまつわる数々の問題を、いたずらに誇張することなく、温かな眼差しで描いていく。ふたりの少年にとって、窮屈な日常から抜け出すには、夢と創造の世界に逃げこむしか方法がなかった。動くガラクタに乗って、ふたりは冒険の旅にでかける。少年たちの行く手には、いくつもの試練と出会いが待ち受けている。彼らにとって、それは大人になるための旅であった。

ゴンドリーのどの作品にも共通する特徴が、もうひとつある。ゴンドリーは、子供たちと同じように「遊びと工作」が大好きなのだ。本作の少年たちも嬉々として板を切り、くぎを打ち、ペンキを塗る。そうやって、彼らはDIYで「動く小屋」を作った。リアルとバーチャルが融合するデジタル社会にあっても、ゴンドリーは被写体の物質感を大切にし、手と物の関わりを重んじる。だからこそ、ちびのダニエルはパソコンを使わずに鉛筆とフェルトペンで絵を描くのであり、ふたりの車もデジタル技術で作られたスーパーカーではなく、モーターで動く車輪付きの小屋なのだ。ゴンドリーはハイテクよりも手作業を尊重し、流行を追いかけるよりも想像の世界に遊ぶのだ。

本作の舞台は現代である。だが、ゴンドリーはそこに自分自身の過去を重ねる。作品に登場する場所、人物、状況のすべてに、自伝的な要素が盛り込まれている。ゴンドリー自身が言うように、子供のころの彼も流行にはまったく興味がなく、いつもひとりで夢想にふけり、絵を描いてばかりいる少年だった。ダニエルとテオも、ゴンドリー少年のように、スマホよりもゼラニウムの植木鉢のほうがずっと気になるのである。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

公開スケジュール Schedule

【上映日】
12月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)

【上映時間】
11:00/14:00/17:00

 

会場 Access

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。

 

お知らせ

2023年のル・ステュディオは、3月以降開始予定です。
詳細は随時、本サイトにてお知らせいたします。
来年も皆様にお楽しみいただけるプログラムを目指して参りますので、引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

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