SKILLS ACADEMY
スキル・アカデミー
2021-2022年のテーマ:木
中高生向けワークショップ
「木に学ぶ、五感で考える」
Wood-Life Learning
[プログラムC]
香りと詩
森を散策し、香りと詩の素材を探す、実験的ワークショップ
開催日:2022年3月29日(火)
場所:檜原村「フジの森」
photo by Shiori Ikeno
武蔵五日市駅からバスで30分ほど移動し、さらにそこから10分ほど歩いて、森へ向かいました。アットホームな一区域を会場として、まず森の運営者であるNPO法人「フジの森」の小澤一雄さんにご案内いただきながら散策し、詩と香りの素材を探していきます。
森で詩を探そう
詩作ワークショップでは、キャッチボールのように参加者と講師の管啓次郎さんが交互に2行ずつ書き足していき、最後の1行で締めて7行の詩を作りました。しかしここでは終わりません。一度完成した詩を、講師や他の参加者で添削し合い、赤ペンで手を加えていくのです。納得したり、新鮮に感じたり、違和感を持ったり…。こうして推敲した自分の詩を、森の中で朗読しました。参加者からは「詩とは個人で作るものとばかり思っていたのですが、管先生や他の参加者の方々と共に作り上げる過程がとても楽しかったです」という感想が寄せられました。
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講師
管啓次郎 Keijiro Suga
(詩人/明治大学教授)
1958年生まれ。ブラジル滞在記『コロンブスの犬』が最初の本。ポリネシア世界の紀行文『斜線の旅』で読売文学賞受賞。詩人として世界各地の詩祭で招待朗読。英・仏・西語から30冊以上の本を翻訳してきた。明治大学理工学部教授。
詩の朗読会
「森で詩を探そう」のワークショップで紡がれた詩の朗読音源。どんな森の景色が想像されるでしょうか?15人それぞれの森での記憶を追体験するように、7行の詩に凝縮されたひとつひとつの言葉からは、漠然とした森ではなく、豊かな森の情景がつぶさに立ち上がってくることでしょう。
00:0006:05

管啓次郎「木について(13篇の連作)」
ワークショップの事前資料として参加者のみなさんへ送られた、講師の管啓次郎さんによる書き下ろしの作品とご本人による朗読音源。 「詩はもちろん『書くもの』ですが、書くという以上に『見つかるもの』でもあると、ぼくは思っています。自分の手持ちの言葉の葉っぱを、何枚か並べて見ましょう。並べれば、何かのパターンが生まれる。必ず、そのときその場だけのパターンが生まれる。それが詩のはじまりです。やってみましょう。」
00:0007:24

森の香りを抽出しよう
香りのワークショップでは、森の中にある葉や枝、木の皮を収集するところから始まりました。収集した素材を細かく切り刻み、エタノール液に漬け、温めることで、香りを抽出します。ひとつの木でも、葉と樹皮では全く違う香りになることに驚きます。レクチャーでは、その化学成分の違いや、香りの分類法についても学びました。香りを味わい、嗅ぐのではなく「聴く」ことから、新たな樹木の風景を見出すことができました。
香りの抽出方法
1: 自然の匂いをたくさん嗅ごう(温度、湿度)
2: 素材を採集しよう
3: 素材を細かくし、アルコールを注ぐ
4: 液体に匂いを移す
5:フィルターで濾す
6: 瓶にうつして完成(ラベルに①素材 ②場所 ③日付 を記録しておく )
香りの楽しみ方
1:試香紙(画用紙を長い棒状に切ったものなどでも代用可)に香りをつけます。
2:直後、1分後、5分後、10分後、1時間後…それぞれを「聴く」ことでその変化に気づき、味わうことができます。天候によって、変化を感じることもあります。
3:お手紙、枕元、マスクなど、香りがあるといいなと思うところを見つけて、日常に香りを、自由に重ねてくださいね。
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講師
沙里 Sari
(香り研究/かほりとともに、代表)
三重県出身。日本やイギリスで幼児教育に7 年間携わり、香りが心や身体に深く響くことを実感。英国のIFAアロマセラピスト取得後、精油が音のように聞こえたり色が浮かんだりする感覚の神秘から、調香の道へ。環境大臣賞受賞(2011年)。
このプログラムで学ぶスキル
■森を五感(鼻、耳、手、目)で体験する。
■「言葉と体験とがひとつになって、なんどでも思い出せるかたち」を模索する。
■時間とともに変化する感覚を味わうスキル。
■木々とのかかわりあいや体験を、香りや詩といった別のかたちに変換し、共有、伝達するスキル。