GINZA MAISON HERMÈS

Window Display

「ツリー・ハット」
 Tree Hut
2021.11.6(土)~2022.2.16(水)
銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。

ウィンドウという空間の中で、商品とアーティストの作品の融合をお楽しみください。

今回ウィンドウディスプレイを手掛けるのは、世界を舞台に活躍するアーティスト、川俣正です。川俣の制作スタイルは、サイト・スペシフィックを主とし、ダイナミックな素材の使い方や構造や造形の美しさで、多くの人々を魅了してきました。
川俣は、エルメスの年間テーマである「Human Odyssey」を、人間のイマジネーションの拡張あるいはその可能性を探る旅と解釈し、アーティストの象徴ともいえるツリーハット(小屋)とネスト(巣)をウィンドウの中に構想しました。ツリーハットは、角材で組み立てられた小屋ですが、ここは、私たちの想像力を常に掻き立てる拠点となります。例えば、子どもたちによる秘密基地、森の中の安全地帯、あるいは未開の冒険から戻って来られるような小屋など、いずれも地上から離れ、浮かんでいる家といいかえることができるでしょう。一方、ネストも、鳥や動物たちにとっての家ですが、私たちにとっては、驚きや好奇心を与え、創造の物語へと遠く誘うものです。
今回、ウィンドウの内外に設置された樹木らが作る風景は、銀座という都市に、森の中を覗き込むことが出来るような空間を出現させます。ダイナミックな表現の中に潜む詩的な感覚が、私たちの想像力を掻き立てるでしょう。メゾンエルメス銀座のウィンドウディスプレイは、20年の歴史を歩んできましたが、ウィンドウの外に広がるインスタレーションへの挑戦は、今回初めてのことになります。
また、ウィンドウ内外に設置された樹木がまるでビルの中まで広がっているかのように、建物中心部のピロティエリアには樹木が立ち並び枝にはひっそりとネストが見られます。
ビルに沿って設置された16面の小窓には、川俣の手掛けるマケット(模型)のシリーズが展示されます。ワーク・イン・プログレスの構造物は、仮設的ゆえに、無数の可能性を象徴する場所のようで、私たちの頭の中に存在するハットやネストを模型にしたようにも感じられます。冬山を想起させる大きなウィンドウと模型の小窓が繰り広げる独特の世界観をお楽しみください。

アーティストプロフィール Artist Profile

川俣 正 Tadashi Kawamata

1953年北海道生まれ。2007年よりフランス、パリ在住。1982年のヴェネツィア・ビエンナーレ以降、ドクメンタ、リヨン現代美術ビエンナーレ等、多数の国際展に参加。完成までのプロセスを作品とみなすWork in Progressの手法を基本とし、公共空間に木材を張り巡らせるなど大規模なインスタレーションが多く、建築や都市計画、歴史学、社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまでその領域は多岐にわたる。