GINZA MAISON HERMÈS
Le Studio
『アルゴ探検隊の大冒険』
Jason and the Argonauts
エルメスのオデッセイ:またひとつ冒険を
2021.7.24(土)~ 8.22(日)
Images courtesy of Park Circus/Sony Pictures
ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2021年のテーマは「エルメスのオデッセイ」。
7月24日~8月は、ギリシャ神話を題材に、特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼン監督が描く青年の冒険譚『アルゴ探検隊の大冒険』をお届けします。
『アルゴ探検隊の大冒険』
Jason and the Argonauts
1963年/アメリカ/104分/カラー/デジタル上映
監督:ドン・チャフィー
製作:チャールズ・H・シニア、レイ・ハリーハウゼン
特撮:レイ・ハリーハウゼン
音楽:バーナード・ハーマン
出演:トッド・アームストロング、ナンシー・コバック、ゲイリー・レイモンド
ギリシャ神話「アルゴ船の遠征」を題材に、特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンが製作したアドベンチャームービー。古代ギリシャ、テッサリーでは王位を巡りクーデターが起きていた。ゼウスの予言を得たペライアスは国王アリストを殺し王座を奪う。20年の歳月が流れ、ただ一人生き残ったアリスト王の息子ジェーソンが祖国を取り戻すために立ち上がる。ジェーソンは平和と繁栄をもたらす伝説の秘宝「黄金の羊の毛皮」を求めて仲間とともに旅に出るのだが、その行く手には数々の苦難が待ち構えていた。本作では青銅の巨人テイロスや7つの首を持つ竜ハイドラなどハリーハウゼンによって命を吹き込まれたクリーチャーが画面狭しと躍動する。特にクライマックスの7人のガイコツ剣士との戦いは秀逸で、ストップモーション・アニメとスクリーンプロセスを駆使した特撮の真価が発揮されており、本作最大の見せ場と言える。
監督について Director
映画監督。1917年、イギリス、ヘイスティングス生まれ。美術スタッフとして映画制作の道に入り、1953年に長編監督デビュー。様々なジャンルの作品を手がけ、代表作に『アルゴ探検隊の大冒険』('63)、『ピートとドラゴン』('77)などがある。また『チャーリーズ・エンジェル』、『新スパイ大作戦』など数多くのテレビドラマの監督としても活躍した。1990年、ニュージーランドで死去。
特撮監督・プロデューサー・脚本家・監督。1920年、ロサンゼルス生まれ。13歳の時に観た『キング・コング』('33)をきっかけに映画の道を志し、高校在学中から南カリフォルニア大学の夜間クラスで映画技術を学ぶ。『猿人ジョー・ヤング』('49)での助手を経て、『原子怪獣現る』('53)で特撮監督としてデビュー。その後、『シンドバッド七回目の航海』('58)や『タイタンの戦い』('81)など数々の名作を生み出した。特殊効果のイノベーターであり、ジョージ・ルーカスをはじめとした多くの映画人に影響を与えている。2013年5月7日、92歳で死去。
作品について About Film
冒険を好んだ当時のアメリカ映画も、そのことをよく分かっていた。アメリカのクラシック映画は、ギリシャ、東洋、中世ヨーロッパをはじめ、世界中のあらゆる神話を利用した。あまりにも暗いエピソードはカットされたが、それを除けば、どの神話も原作にほぼ忠実に映像化された。アメリカ映画が特に好んだのは、主人公が知略をめぐらせて敵を倒し、超自然的な存在を打ち負かすような物語だった。もちろん、その物語には、女性との運命的な出会いが欠かせなかった。神々の一員であれ死すべき存在であれ、美しい女性が登場すると、主人公の冒険はかならず一時中断した。『アルゴ探検隊の大冒険』もこのジャンルの作品である。ギリシャ神話を現代的に加工し、魅力的なストーリーを練りあげた。特に、ストップモーション・アニメーションの巨匠レイ・ハリーハウゼンが指揮した特殊効果によって、古代神話の世界が、詩趣あふれるファンタジーへと昇華した。本作を含めたこの時期、ハリーハウゼンはその無限の想像力を大きく羽ばたかせ、先史時代や神話世界の海に棲息する怪獣たちを次から次へと創造し、幻想の動物誌を描きだした。ハリーハウゼンは気が遠くなるほど厖大な作業を、ほとんどひとりで根気づよく進めた。人形の動きと表情をひとコマずつ丁寧に撮影した。仕上がった映像では、人形たちがまるで魔法をかけられたように、生き生きと動きまわった。
本作のラストに登場するガイコツ剣士との戦闘シーンは、その驚異的なリアルさで映画史に刻まれた。ティム・バートン、ジョー・ダンテ、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロといった監督たちが、この作品からの影響を公言している。本作公開から数十年後、彼らはデジタル技術の進歩に逆行するように、ハリーハウゼンが用いた伝統的なテクニックに回帰し、ストップモーションの神様にオマージュをささげた。画家、模型作家、アニメーター、さまざまなアーティストと職人たちが加わり、映画の夢と幻想にいのちを吹き込んだ。
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
公開スケジュール Schedule
7月24日(土)、7月25日(日)、7月31日(土)、8月1日(日)、8月7日(土)、8月8日(日・祝)、8月9日(月・休)、8月14日(土)、8月15日(日)、8月21日(土)、8月22日(日)
【上映時間】
11:00/14:00/17:00
会場 Access
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)