GINZA MAISON HERMÈS

Window Display

「アナンケ」
Anankè
2021.5.27(木)~7.27(火)
銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスが毎年掲げる年間テーマを表現します。
エルメスの2021年の年間テーマは「Human Odyssey」。ウィンドウという空間の中で、様々な夢の世界に誘います。

古代ギリシャの女神であるアナンケは、ヴィクトル・ユーゴーの著書『海に働く人々』の中に出てくる「最高のアナンケ、人間の心」という一節からも知られています。アナンケは、“運命、不変の必要性、死の概念”の擬人化であり、またそれは、クロノスと共に宇宙の始まりを示しますが、今回のコンセプトではアナンケの持つ宿命・運命という概念を表しています。フランス人アーティストLe Gentil Garçonは、風景、建築、素材やキャラクターといった表現が地球の力によって顔料が洗い流された幻想的な大渦巻に混ざり合っているような世界をヴィクトル・ユーゴーの水墨画やウォッシュ画から、また視点で遊びを取り入れることで見る人に作品をより感じ取れるような空間構成をキュビズムからインスピレーションを受けて制作しました。そして、神話やお話を伝える際に登場する影絵の文化を使い、シルエット(ヒロイン)が現実と空想を繋げる鏡の中から登場し、ウィンドウからウィンドウへどこだか分からないどこかの世界を冒険している様を表現しています。彼はまた、ウィンドウの制作は命のない物体に命を吹き込む過程であると捉え、キャンドルスタンドが生き物のように動いているかのように見せ、全体的に直線を使わずに自然のものがそうであるように曲線を使うことを意識しています。安定したものは進んでいかず、進歩するものは動きがあるから進んでいくという考えのもと、大きなウィンドウでは微妙なバランスでオブジェが繋がって自立している様子を表しています。色や配置にこだわったエルメスの製品がウィンドウのストーリーの中に溶け込んでいる様子もぜひご覧ください。

アーティストプロフィール Artist Profile

ル・ジャンティ・ギャルソン Le Gentil Garçon

物理化学と数学を学んだ後、応用美術の学校に入学し、1998年からル・ジャンティル・ギャルソン(ナイスガイ)という名で活動を続ける。現在彼の作品は国際的に展示され、キュレーターとしての活動も行う。2006年以降、パブリックアートコミッションのアートワークや遊び場のデザインに幾度か選出されている。彼は既に各国のエルメスの店舗のウィンドウデザインを行っており、銀座での展示は今回で3回目。彼は、ドローイング、彫刻、インスタレーション、建築、パフォーマンス、本、ビデオ、アニメーションなど、多くのメディアを使用し、ここに見られる折衷主義は、彼の研究テーマや参考文献、そして彼が想像する創造的なプロセスにも表れている。詩人で映画製作者のアンドレイ・タルコフスキーが言った、「子供としての芸術家は世界を描写するのではなく、発見する」という言葉を信じ、作品を通して子供と世界の関係を特徴付ける精神の新鮮さを伝えようとしている。