『私は、マリア・カラス』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『私は、マリア・カラス』
MARIA by CALLAS

夢を追いかけて:栄光と涙
2019.9.1(日)~ 9.29(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2019年のテーマは「夢を追いかけて」。
9月は、伝説となった歌姫の真実の姿に迫ったドキュメンタリー『私は、マリア・カラス』をお届けします。

 

『私は、マリア・カラス』MARIA by CALLAS

2017年/フランス/114分/カラー/デジタル上映

監督:トム・ヴォルフ
朗読:ファニー・アルダン
出演:マリア・カラス
フォトクレジット: (c) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

トム・ヴォルフ監督による、真実のマリア・カラスに迫るドキュメンタリー。2013年から3年をかけて世界中を巡った<マリア・カラス探究の旅>では、これまで目にすることの出来なかった数多くの資料が見つかった。友人に宛てた手紙、恋人へのラブレター、自身の死により未完に終わった自叙伝、そして秘蔵映像と音源の数々。本作はそれらをもとに、関係者の証言などを極力排し、ほぼマリア・カラス自身の言葉と歌だけで構成されている。表舞台での姿はもちろん、リラックスしたプライベート映像や、その時々の心情を綴った手紙、テレビでのインタビューなど、多面的に光を当てることによって、誰もが知る<ディーヴァ>としての姿だけでなく、一人の女性としてのマリア・カラスを見事に描き出している。また、劇中での手紙や自叙伝の朗読を『永遠のマリア・カラス』('02)でカラス役を演じたファニー・アルダンが担当しているのも見逃せない。

 

監督について Director

トム・ヴォルフ

ロシア、サンクトペテルブルク生まれ、フランス育ち。2006年に映画作りを始める。手がけてきたのは、ファッション広告、国際的組織や企業のPR映像からオペラをテーマとする短編映画など多岐にわたる。シャトレ座ではオーディオビジュアル・コミュニケーションを3年に渡り担当し、さらに、プラシド・ドミンゴ、スティング、デヴィッド・クローネンバーグなどの数々の偉大な人物や作家のインタビュアーとしても活躍。2013年にニューヨークに移り、マリア・カラスを探求するプロジェクトを開始。2017年に初の長編監督映画となる『私は、マリア・カラス』を完成させた。
 

作品について About Film

トム・ヴォルフ監督は言う。マリア・カラスの生涯は、世界中の聴衆に夢をあたえるだけでなく、ひとびとの涙を誘うべく運命づけられていたのかもしれない。幼少期からレッスンに明け暮れたカラスは、希代のソプラノ歌手として早くから頭角をあらわした。ふくよかだった歌姫は、ダイエットの末にすらりとした体型に変わり、世界的なスターに登りつめ、大富豪と恋に落ち、裏切られた。晩年は事実上の引退状態となり、パパラッチに追われながら、孤独な日々をすごした。栄光と悲哀に満ちたその人生は、ハリウッドのメロドラマを思わせる。特に、ダグラス・サークやジョーゼフ・L・マンキーウィッツが描いた、恋愛と仕事の両立に苦悩する女性たちを彷彿させる。

トム・ヴォルフの作品もまた、音楽的な成功と私生活の軋轢を描いている。「わたしのなかには、ふたりの女がいる」とカラスは言う。ヴォルフのオマージュがすばらしいのは、カラスの芸術的な才能やカリスマ性を示すだけでなく、私生活における幸福と苦悩をありのままに語っていることである。

一般に、伝記的なドキュメンタリーはナレーションを多用する傾向にあるが、ヴォルフは作為的なコメントをいっさい挟まず、カラス自身の言葉だけで作品をつくりあげた。数多くの未公開資料を含め、インタビュー映像や友人に宛てた手紙を用い、カラス自身の率直な告白にも等しい自伝的な作品に仕上げたのである。

本作のもうひとつのポイントは、有名なアリアをノーカットで一曲まるまる聴かせるところである。カラスが独唱するアリアを初めから終わりまで通して聴くことで、当時の聴衆が感じたのと同じ感動がえられる。しかも、映画では、カラスの表情をアップで見ることもできる。男たちを翻弄する魔性の女カルメンや恋人に捨てられたノルマそのものになりきったカラスの迫真の演技が、画面から余すところなく伝わってくる。

もっと言えば、ミラノのスカラ座やロンドンのコヴェント・ガーデンで上演された伝説の舞台そのものが現代によみがえったように感じられるのだ。オペラの歴史に残る舞台をカラスとともに作りあげた著名な演出家や共演者たちも、画面に姿をあらわす。ヴォルフの作品は、生粋のオペラ・ファンにも、カラスの非凡な人生に興味をおぼえた観客にも、このうえない幸せをもたらすだろう。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
9月1日(日)、9月7日(土)、9月8日(日)、9月14日(土)、9月15日(日)、9月16日(月・祝)、9月21日(土)、9月22日(日)、9月23日(月・祝)、9月28日(土)、9月29日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。