『動物農場』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『動物農場』
Animal Farm by John Halas and Joy Batchelor

自然――軽やかなギャロップ:動物と私たち 1
2016.7.2(土)~7.31(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2016年は「自然 ― 軽やかなギャロップ」をテーマにお届けいたします。
7月は動物たちの革命を描いた傑作アニメーション『動物農場』をご紹介します。

 

『動物農場』Animal Farm by John Halas and Joy Batchelor

1954年/イギリス/74分/カラー/35mm

監督:ジョン・ハラス&ジョイ・バチュラー
原作:ジョージ・オーウェル
脚本:ジョン・ハラス、ジョイ・バチュラー、フィリップ・スタップ、ロサー・ウォルフ
音楽:マティアス・サイバー
アニメーション:ジョン・F・リード
字幕:田中武人
配給:三鷹の森ジブリ美術館
フォトクレジット:©RD DR 1954 (renewed 1982)
ジョージ・オーウェルの同タイトルの寓話小説を原作に、伝説のアニメーション・スタジオ「ハラス&バチュラー」が手掛けたイギリス初の長編アニメーション。
農場主に虐げられてきた動物たちは、革命によって人間を追放、「動物主義」を掲げ自ら農場経営に乗り出した。しかし、幸せな「動物農場」の日々は次第に陰りはじめ……。
人間社会の支配の構造を勇敢に描いた本作は、当時の技術と情熱を結集させた、「ハラス&バチュラー」の最高傑作。原作とは異なるラストシーンも見どころです。
 

作品について About Film

色とりどりの花が咲き、鳥たちが飛びかう。おだやかな田園風景に心地よいBGMが流れる。動物たちが人間のようにふるまい、笑いと感動にみちた家族向けのアニメーションが始まる。ところが、そう思ったのも束の間、牧歌的な風景はすぐに消えさり、代わりに、人間の暗い肖像が動物の姿を借りて描きだされる。

『動物農場』は、ソ連建国当初の出来事や政治家たちをモデルに、権力の独裁化を批判した作品である。冷戦のまっただなかに政治的な「おとぎ話」として構想され、長編アニメーションでは珍しく(そして作者たちの意図に反して)、反共プロパガンダの一端をになった。当時、共産主義に対抗する手段を探していたCIAは、ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』に白羽の矢をたて、アニメ-ション化の資金を援助し、そのうえ秘かにシナリオを書き換えさせた。元のシナリオでは原作と同じように、すべてのイデオロギーが腐敗して終わるが、修正後のシナリオでは、スターリニズムだけが民衆の反乱によって打ち倒されるよう変更されていた。ジョン・ハラス監督は、CIAがシナリオを書き換えたことも、かれらが出資した本当の理由も知らなかったようだが、悲観的な結末よりも希望を感じさせる新しいラストシーンを好み、修正後のシナリオを受け入れた。

ハラスとバチュラーは、一見したところ、動物を主人公にしたディズニー映画の伝統にしたがっている。しかし、ふたりは丸みをおびた輪郭や華やかな色彩よりも、様式的な絵柄とシンプルで抽象的な背景を好んだ。暴力的な場面では、象徴的な映像や省略をつかって暗示的に表現した。
なぜ、かれらはオーウェルと同じように動物の世界を選んだのか。なぜ、実写ではなくアニメ-ションを選んだのか。隠すことでかえって多くのことが見えてくるように、間接的な表現によって、人間が抱える矛盾、醜さ、虚栄心が明らかになる。動物たちは人間を映す鏡となり、人間が得意とする政治闘争を人間そっくりに繰り広げる。
封切り時に「世界初の大人向けアニメーション」として喧伝された『動物農場』は、今もその独創性と力強さを失わず、大人だけでなく老若男女すべての観客に、民主主義と自由意志の尊さを訴えかけている。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

上映スケジュール Schedule

上映日
7月2日(土)、7月3日(日)、7月9日(土)、7月10日(日)、7月16日(土)、7月17日(日)、7月18日(月・祝)、7月23日(土)、7月24日(日)、7月30日(土)、7月31日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。