エルメス財団は、光、振動、波動など、身体に介入するゆらぎの感覚を通じて、知覚探究を試みるアーティストによるグループ展「Interference(インターフェアレンス)」を開催いたします。
4人のアーティストによる作品は、それぞれ、ミニマルな美意識の中に潜む身振りを通じて、私たちの身体に日常的に干渉している出来事の微細な尺度や境界を浮かび上がらせます。私たちは、作品から呼び起こされる生理的現象や感覚によって身体や器官を再認識し、また作品同士の相互干渉から生まれる新たな波長によって、メディテーションへと導かれるでしょう。
「Interference」は、フランシス真悟(1969年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ)による、光干渉顔料を用いたシリーズのタイトルでもあります。この蝶の鱗粉のような薄い素材は、光の干渉によって色層を浮かび上がらせるもので、アーティストは、その微細な変化や色彩の振れ幅によって、自然界、ひいては宇宙的な波長を捉えようと試みてきました。
スザンナ・フリッチャー(1960年ウィーン生まれ)は、ガラスブロックの構造に呼応した環境にめぐらされた、半透明の雨のような糸で空間を満たします。モーターからもたらされる振動や周波は、極細の素材が伝える振動の干渉によって、サウンドの変化としても現われます。同調し、打ち消しあい、鼓動し、周期的なリズムへと加速することで、音域外の聴覚へといった私たちを誘いだすでしょう。
ブルーノ・ボテラ(1976年サルセル生まれ)は、キュレーターのカリン・シュラゲター(1988年パリ生まれ)と対話し、「Interference」展の中に、入れ子式 (mise en abîme)に、展示への干渉・衝突(Interference)を試みます。一連の作品は、ギャラリーの隠れた場所、普段は見ることのないビルの一部の触覚を用い、私たちの意識下に潜む知覚を触発するものです。
宮永愛子(1974年京都府生まれ)は、日常から宇宙を感じる茶会を開催し、オンラインを通じて時空を超える体験へ誘います。展覧会の場所を離れて、宙(そら)の海へ広がる作品は、会場から離れた場所を感受する拡張した身体を想像させます。
【茶会開催日】4月21日(金)、5月21日(日)詳細はこちらから。(終了いたしました)
それぞれのアーティストは、綿密に環境を整える手順を周到に踏みながらも、その計画性と偶然性の間に発生する体験を鑑賞者に委ねます。「Interference(インターフェアレンス)」がもたらす私たちのメディテーションは、どこから始まるでしょうか。