GINZA MAISON HERMÈS

Le Forum

「輝板膜タペータム」落合多武展
Tapetum Lucidum by Tam Ochiai

2021.1.22(金)~4.11(日)

エルメス財団では、ニューヨークを拠点に活動する落合多武(1967年神奈川県生まれ)の個展を開催します。落合は、1990年の渡米直後より発表をはじめ、日本では、国立国際美術館や東京都現代美術館のコレクションのほか、ワタリウム美術館(2010)での個展や、水戸芸術館(2007)、原美術館(2009)でのグループ展や横浜トリエンナーレ2011への参加などを通じて紹介されてきました。落合の制作活動は、ドローイング、ペインティング、彫刻、映像、パフォーマンス、詩や文章の執筆や印刷物など、多様な形態をとりながら実践されています。どの作品にも、複数の時間や流動的な思考が往来しており、ひとつの概念がかたちを成しては解体され、また次の思考へと結びついてゆくプロセスとともにあるアーティストの身振りと言い換えられるでしょう。

本展覧会は、四半世紀にわたる落合の作家活動を通して制作された幾つかのシリーズ《M.O》、《everyone has two places》、 《ashtray sculpture(灰皿彫刻)》、《Itinerary, non?》、《Chopin, Op.97(ショパン、97分間)》などから、任意の作品群を組み合わせながら編まれたもので、それぞれの作品が導き出す事柄の連鎖や断絶の中にある自由な遊歩を提案するものです。

タイトルに掲げられている「輝板膜タペータム(Tapetum Lucidum)」は、夜行性動物の眼球内にある輝板(タペタム)という構造物を参照しています。これは、網膜の外側に存在し、暗闇の中のわずかな光を捉えて反射する機能を持ち、猫の目が暗闇で光る現象として理解されているものです。人間の視覚にはないこの輝板は、日ごろ、特段意識をしていないものから光を集め、一瞬の反射光を放つ、軽快でウィットに富んだ落合の表現のようです。それらは断片のようでありながら、断片から全体像を常に揺り動かしてゆくように作用し、ひとつのナラティブに収束することがありません。「暗い場所で光を反射し続ける眼球は、見られるものに対して中間地点にいる」と落合は語ります。その眼球の中をこの展覧会とするならば、その世界は見るものと見られるものが自由に交差する永遠の中間地点を象徴しているのかもしれません。
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世の中には有益なものと無駄なもので溢れている、それであったら無駄なものを考えるのが自然ではないか?1970年代のパンクの後に登場したポストパンクやニューウェーブの音楽を聴き続けたり、ニューヨークの路上で倒れそうにふらふら歩いている人間を観察したり、すぐ横の路面にはネズミが絨毯になっていたり、想像できないことが起こり続ける、そんな半現実がピカビアの絵、ダダと交差したり。90年代初頭、大学院で学生の頃、非常にやる気のない、お金のためだけに教えているから、、と言う(本人いわく、)フェリックス・ゴンザレス=トレスが教員にいた、私はもう少し真面目そうな先生を選び彼の授業を取るのをやめることにした、彼は終始スタジオを持たなかった、もしスタジオがあって、その場所に行けば、仕事をしなくてはと脅迫的に思ってしまうから、、という事らしい、、、今思えば、やっぱり彼は一番良い先生だったのではと思う。

―落合多武「Itinerary, non?」の制作メモから

展覧会ブックレット

展覧会の様子を記録したブックレットをオンラインでご覧いただけます。

 

アーティストプロフィール Artist Profile

落合 多武 Tam Ochiai
1967年神奈川県生まれ。現在、ニューヨークを拠点に活動。1990年和光大学卒業後に渡米し、1993年ニュ−ヨーク大学芸術学部大学院修了。「概念としてのドローイング」を主要なテーマとして、ドローイング、立体、映像、パフォーマンス、詩などの多様なメディアを用いた制作活動を行う。それらの作品は、人物や物事に内在する経験を掘り起こし、隠された意味や予期せぬ関係性を見つけ出してゆくだけでなく、詩的な語意が複雑に反響する自在な世界へとつながっている。主な個展に、「旅行程、ノン?」(小山登美夫ギャラリー、東京、2019年)、「Tarragon, Like a Cat’s Belly」(Team Gallery、ニューヨーク、2017年)、「スパイと失敗とその登場について」(ワタリウム美術館、東京、2010年)など。主なグループ展に、「コレクション―現代日本の美意識」(国立国際美術館、大阪、2020年)、「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」(東京都現代美術館、東京、2019年)、「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(原美術館/ケルン日本文化会館、2009年以降多数巡回)など。

 

開催イベントのお知らせ

【ギャラリーツアー】

展覧会の背景やそれぞれの作品について、フォーラム担当者が解説いたします。

【日時】
2月10日(水)15:00~
2月12日(金)15:00~
2月17日(水)15:00~
2月23日(火・祝)15:00~
(各45分 日本語のみ)

【集合場所】銀座メゾンエルメス フォーラム(8階)
※予約不要。
※開始5分前までに、8階の会場スタッフにツアーご参加の旨お知らせください。

【パフォーマンス】

アーティストの落合多武によるヴィデオ・パフォーマンスを開催いたします。
どなたさまもお気軽にご参加ください。

「一生で一回再生されるヴィデオ第4番」のパフォーマンス
日時:2021年4月9日(金)18時~(約30分)

【集合場所】銀座メゾンエルメス フォーラム(8階)
※予約不要。

 

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*会期中、作家によるインターヴェンションが不定期に行われております。
詳細は会場スタッフにお問い合わせください。

 

基本情報 Information

会期:2021年1月22日(金)~4月11日(日)

開館時間:
11:00~19:00(最終入場18:30)
休館日:不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
※エルメス銀座店の営業時間に準じ、当面の間、開館時間を短縮させて頂きます。
※開館日時は予告なしに変更の可能性がございます。随時こちらでお知らせ致します。

入場料:無料

会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
(東京都中央区銀座5‐4‐1 8・9階 TEL: 03-3569-3300)

主催:エルメス財団

協力:小山登美夫ギャラリー

 

ご来場に際してのお願い・ご案内

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、下記の対応を伴う開館とさせて頂きます。
皆様にはご不便おかけしますが、ご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
◆銀座店内混雑緩和のため、ソニー通り側のエレベーターからご案内いたします。
※当面の間、フォーラムへの入退場に店舗内のエレベーターをご使用頂くことができませんのでご注意ください。
◆密集防止の為、混雑時は一時入場をお待ち頂くことがございます。
マスクの着用がないお客様は、ご入場をお断りさせていただきます。
◆ご来場前の事前検温にご協力お願い申し上げます。37.5℃以上の熱のあるお客様は、ご来場をご遠慮ください。
◆手指消毒へのご協力をお願い申し上げます。
◆お客様同士で、一定の距離を保ってご観賞下さい。
◆定期的にスタッフによる清掃作業をいたします。
◆お客様及びスタッフ内での感染予防の為、マスク着用でのご案内をいたします。