「ミクロ・イヴェント」 谷内恒子展 | エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Forum

「ミクロ・イヴェント」 谷内恒子展
Micro-Events by Tsuneko Taniuchi

2014.7.18(金)~9.21(日)

谷内恒子は、パリを拠点に活動するアーティストです。これまでにパリのポンピドゥー・センター、パレ・ド・トーキョーを始め、フランス国内外で多数のパフォーマンスや展示を行ってきました。

1995年以来、「ミクロ・イヴェント」と名付けたパフォーマンスを続ける谷内は、パフォーマンスによって社会の多様な層やその役割を代弁しています。現代を生きる様々な女性の姿を演じ、時にはバニーガールに扮して、アートフェアなどのVIPシステムをアイロニカルに表現。自らをVIPと名乗る人物のみにドリンクをサーブします。

また、スーパーで「ひったくりにあった!」という偽りの叫び声を上げたかと思うと、引っ越し荷物と共に自らギャラリーに「移住」することで、都市における居住権の問題を顕在化させるなど、周囲を巻き込み、軽やかな批判精神をもって、精力的にパフォーマンスを続けています。

「日本人」でありながら「フランス人」である谷内の作品は、演劇と行為、現実とフィクション、対話と断絶、男と女、アンガージュマン(政治的・社会的参加)とゲーム、芸術とキッチュというような、概念や価値の境界を行き来しながら、現代の社会において「自分自身になることの正当性」とは何かを問いかけてくるのです。

会期中、谷内恒子は会場に登場し、パフォーマンスを行います。ポンピドゥー・センターで好評を博した「ウェディング・シリーズ」は、パフォーマンスに加え、記録写真・映像などをインスタレーションとして展示。アーティストの活動を多角的にご紹介します。

(2014/約5分/日本語音声)

展覧会ブックレット

展覧会の様子を記録したブックレットをオンラインでご覧いただけます。
 

アーティストプロフィール Artist Profile

谷内恒子 Tsuneko Taniuchi

兵庫県西宮市生まれ。1987年以来パリ在住、同市にて活動。
神戸女学院大学社会学科西洋文化史専攻を卒業し、パリ国立高等美術学校に留学。ニューヨークに一時滞在後、パリを拠点にパフォーマンス、ヴィデオ、写真、インスタレーションを中心に作家活動を続けている。

1995年以来、「ミクロ・イヴェント」と題してパフォーマンスの新しい領域に挑み、これまでに「Rendez-vous du forum」(ポンピドゥー・センター、パリ、2010年)、「La Force de l'Art 02」(グラン・パレ、パリ、2009年)、「Tokyorama」(パレ・ド・トーキョー、パリ、2001年)などに参加、公演を行っている。
 

開館時間 Opening Hours

月~土 11:00~20:00(入場は19:30まで)
日   11:00~19:00(入場は18:30まで)
下記の日程においてエルメス銀座店の営業時間変更に伴い、開館時間が変更になりますのでご注意ください。
12月7日(日)、14日(日)、21日(日) 11:00~20:00(入場は19:30まで)
 

会期中のイベント(終了いたしました)

開催期間の約2か月間、連日パフォーマンスが行われるというのはアーティスト自身にとっても初の試みです。アーティストと観客の間のリアルタイムな関係のうちに生まれる谷内恒子のパフォーマンス。一期一会の場に立ち会い体験することのできる貴重な2か月です。

月~土 17:00~19:00 / 日 14:00~16:00
『ミクロ・イヴェントn°45 /六人の女性のキャラクター + 一人の女性 / 七日間』

アーティスト本人が会場に滞在し、パフォーマンスを行います。現代社会における様々な女性像六人(ウェイトレス、ボクサー、体操選手、ホームレス、ガングロ、忍者)を日替わりで演じます。七日目にあたる日曜日には「一人の女性」=谷内恒子が、六人の女性像がパフォーマンス時にクリエイトした「モノ」と来場者の持ち物を交換する参加型パフォーマンス、『トロック』を開催します。
※パフォーマンスお休みのお知らせ: 9/10(水)のパフォーマンスはお休みとなります。

『ミクロ・イヴェントn°45 /六人の女性のキャラクター + 一人の女性 / 七日間』は本展覧会のメインパフォーマンス。全体で1つのミクロ・イヴェントとなり、アーティストが自分自身であることと演じることの間を行き来します。 谷内本人は、毎日会場でパフォーマンスを行います。月曜から土曜には、現代社会における様々な女性像六人(ウェイトレス、ボクサー、体操選手、ホームレス、ガングロ、忍者)を日替わりで演じます。 ある意味で大衆化された典型的なキャラクターが、目の前で起こる谷内のカリカチュアとユーモアによってずらされ、観客一人ひとりの意識の中に、不確かな意味や関係性を誘発します。
 

  • 七日目にあたる日曜日には私自身=谷内恒子に還り、六人の女性像がクリエイトした「モノ」と来場者の持ち物を交換する参加型パフォーマンス、『トロック』を開催します。来場者には、本人にとって大切だと思われる、特別な意味のあるもの(経済的な価値ではなく)を持ってきてもらい、谷内がテーブルに広げたものの中の一つと交換します。そこには谷内との対話があり、日常生活では貨幣によってありふれたシステムである「交換」が、ここでは流動的で、互いの協力なしには成立しないことに気づかされます。

8/3(日) 『ミクロ・イヴェントn°46 /ウェディング、東京』 2002年より継続され、約250件の結婚が成立している「ウェディング・シリーズ」の東京版。アーティスト本人と結婚する方(性別不問・複数可)を公募し、会場内で約20組分の結婚式を同時に開催します。参列者は当日その場に居合わせる来場者の皆様。パフォーマンスとしての作品に加え、開催後は会場内に写真や映像がインスタレーションとして展示されます。 ※募集を締め切りました。多数のご応募ありがとうございました。イベント詳細につきましてはこちら ※都合により一部変更または中止になる場合もございます。中止の際は当サイトにてお知らせいたします。

ミクロ・イヴェントn°45 /6人の女性のキャラクター + 1人の女性 / 7日間 | Micro-Event n°45 /Six Female Characters + A Woman / Seven Days | 2014 © Tsuneko Taniuchi Adagp, Paris 2014. Photo: Volker Renner ミクロ・イヴェント n°11 /恒子のトロック | Micro-Event n°11 /Tsuneko Troc | 2001 © Tsuneko Taniuchi Adagp, Paris 2014. Photo: Amiel Grumberg

  • 8/3(日)、「ミクロ・イヴェント」 谷内恒子展のメイン・パフォーマンスである『ミクロ・イヴェントn°46 /ウェディング、東京』が開催されました。公募によって選ばれた18組、31名の花嫁・花婿と谷内恒子が挙げた結婚式。展示が新たに追加され、本イベントはインスタレーション作品として会場に登場しております。

    本パフォーマンスの写真や映像、結婚証明書は、作品として会期中フォーラムに展示されます。どうぞお楽しみに! そして毎日開催『ミクロ・イヴェントn°45 /六人の女性のキャラクター + 一人の女性 / 七日間』は最終日まで行われております。ぜひ会場に足をお運びください。

    写真クレジット: 『ミクロ・イヴェントn°46 /ウェディング、東京』谷内恒子 © Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

8/3(日)『ミクロ・イヴェントn°46 /ウェディング、東京』


2002年より継続され、約250件の「結婚」が成立している「ウェディング・シリーズ」は、谷内恒子本人と「結婚」を希望する様々な参加者(性別など問わず、複数でも可)とが一度に結婚式を行うというパフォーマンス作品です。本展では会期中、谷内恒子の代表作のひとつ「ウェディング・シリーズ」の東京版を行います。

日本では男女が「婚姻届」を出すことをすなわち結婚とするのが一般的ではありますが、世界を見渡してみると、それぞれの社会によって様々なかたちの「結婚」が存在していています。

「結婚式を重ねるごとに、この儀式の神秘化を払拭できているように思い、私は、さまざまな場所で、この虚構の結婚式を挙げ続けた」という谷内恒子が行うのは、あらゆる人に開かれた結婚式。参加者は彼女と出会い、対話し、儀式を通じ改めてその意味を問い直すでしょう。

本展ではアーティスト本人と「結婚」をする約20組の希望者(複数可・性別不問)を公募し、会場内で結婚式を開催。結婚式は当日来場する観覧者の方々にも参列頂き厳かに執り行われ最後は祝いの宴に。谷内恒子と新たなパートナーが出会い約20組の夫婦が誕生します。

【イベント日時・場所】
・日時: 2014年8月3日(日) 14:00~18:00
※終了時間は当日の進行状況により前後いたします。
・場所: 銀座メゾンエルメス フォーラム
 

【注意事項】
※日本の民法によって定められている「結婚(婚姻)」とは異なります。 ※イベントでは谷内恒子氏とのポートレイト撮影、およびビデオ撮影があり、その写真・ビデオ・結婚証明書は今後フォーラム、およびその他の場所で作品として展示されます。

【個人情報の取り扱いについて】
※応募者の皆様よりお送りいただきました個人情報は、当イベントの選考にのみ使用させていただきます。
※上記の個人情報については、運営者は管理責任者を置き、適切な管理を行います。また運営者が応募者によりよいサービスを提供するために、第三者に本サービスに関する業務を委託する場合には、運営者同様適切な管理を行うよう、当該第三者に対し、契約により義務付けをします。

 

「ミクロ・イヴェント」 谷内恒子展: パフォーマンス・レポート

「結婚式を重ねるごとに、この儀式の神秘化を払拭できているように思い、私は、さまざまな場所で、この虚構の結婚式を挙げ続けた」という谷内恒子が行うのは、あらゆる人に開かれた結婚式。参加者は彼女と出会い、対話し、儀式を通じ改めてその意味を問い直すでしょう。

本展ではアーティスト本人と「結婚」をする約20組の希望者(複数可・性別不問)を公募し、会場内で結婚式を開催。結婚式は当日来場する観覧者の方々にも参列頂き厳かに執り行われ最後は祝いの宴に。谷内恒子と新たなパートナーが出会い約20組の夫婦が誕生します。

【イベント日時・場所】
・日時: 2014年8月3日(日) 14:00~18:00
※終了時間は当日の進行状況により前後いたします。
・場所: 銀座メゾンエルメス フォーラム
 

【注意事項】
※日本の民法によって定められている「結婚(婚姻)」とは異なります。 ※イベントでは谷内恒子氏とのポートレイト撮影、およびビデオ撮影があり、その写真・ビデオ・結婚証明書は今後フォーラム、およびその他の場所で作品として展示されます。

【個人情報の取り扱いについて】
※応募者の皆様よりお送りいただきました個人情報は、当イベントの選考にのみ使用させていただきます。
※上記の個人情報については、運営者は管理責任者を置き、適切な管理を行います。また運営者が応募者によりよいサービスを提供するために、第三者に本サービスに関する業務を委託する場合には、運営者同様適切な管理を行うよう、当該第三者に対し、契約により義務付けをします。

 

パフォーマンス・レポート

フォーラムにて開催中の「ミクロ・イヴェント:谷内恒子展」では、毎日パフォーマンスが行われています!日替わりで谷内が演じる6人のキャラクターのうち、今回は「ガングロ」のレポートをお届けします!

17:00になると、黒いワンピースに身を包んだ谷内がどこからともなく現れ、ステージに上がります。ヒールの音を響かせ黒く豊かな髪を揺らす谷内、まだ「ガングロ」の面影はどこにも見当たりません。期待が高まります…

  •  


    観客の目の前で服を選び、着替え始める谷内。ベッドを思わせる造作物や鏡、ハンガーラックが配されたステージは、まるで彼女の部屋のよう。他人の生活を覗いているような錯覚に襲われます。

    着替えを終えて、メイクに取り掛かるアーティスト。かなり黒くなっています…。インクのようなアイライナーにつけまつげ、白っぽい口紅、メッシュ入りのウィッグ、ビビッドカラーの服に厚底靴を履けば、一世を風靡したあのガングロ・ルックが完成!

  • 満足そうに周囲を見渡すガングロ。ものすごいインパクトです。

    しばらくすると、モデルウォークのように堂々とステージの端から端までを往復し始めました。うっすらと微笑みを浮かべるガングロと目があうと、思わず目をそらしてしまいます。

    高らかな笑い声、そして長い沈黙…。
    だんだん目の前のガングロが得体の知れないものに見えてきました。
    ギャル文化の中でも際立った風貌とその強烈な自己表現で社会の常識的な制約に反抗したガングロをとりあげることによって、日本の社会を抑圧してきたものが浮かび上がるようです。ルールを笑い飛ばしてしまう彼女たちのスタイルが鮮やかに表象されつつ、長い沈黙や何かを思索するような表情によって、そこに大きなズレを同時に感じます。

    パフォーマンス中、ステージ上の大きなテーブルの上でガングロは制作も行いました。写真にペイントをしたり、鏡に口紅で自画像を描いたり、画用紙に雑誌の切り抜きでコラージュを作ったり。「ガングロ」とアーティスト「谷内恒子」が交錯する瞬間です。
    これらの「作品」は、毎週日曜日の「トロック(交換)」というパフォーマンスでの交換品として、テーブルに並べられるそうです!

    気がつくと、ガングロは荷物をまとめ、着替えを始めました。だんだんと元の「谷内恒子」に戻っていく過程も見どころです。

    部屋を覗いているような感覚と、彼女の笑い声やまなざし、繰り返される動作がもたらす緊張感と違和感、「自分がその場に取り込まれている」と感じる瞬間が、パフォーマンスの間、常にオーバーラップし続けています。

ステージに現れたときのように、ヒールの音を響かせながら、まるで何事もなかったかのように立ち去っていく谷内。さっきまでの出来事は一体何だったんだろう…と戸惑う私たちの目の前には、口紅でペイントされた鏡やメイクの残り物など、確かな現実のあとが残されていました。

 

谷内恒子が演じるキャラクターは全6人。毎日変わります。様々な女性のキャラクターたちは、私たちの固定観念や期待、予想を裏切りながら、ユーモラスなパフォーマンスを繰り広げます。
ラジオ体操がワルツになってゆく体操選手、観客に飲み物をサービスするウェイトレス…。彼女たちは観客との曖昧な距離を保ち、不安や居心地の悪さ、戸惑いを誘発しながらも別の表現で演じ続けます。

ひたすらサンドバッグを叩き続けるボクサー/段ボール書いた文字を掲げるホームレス/制作したコラージュを観客に見せる体操選手

 

約2時間のパフォーマンスですが、どのタイミングでご覧いただいても何かを発見し、お楽しみいただける内容です!毎日パフォーマンスに出会えるフォーラムでの新しい体験。アーティストと共にご来場をお待ちしております!



写真クレジット:
ミクロ・イヴェントn°45 /6人の女性のキャラクター + 1人の女性 / 7日間 | Micro-Event n°45 /Six Female Characters + A Woman / Seven Days | 2014
© Tsuneko Taniuchi Adagp, Paris 2014. © ARTISTS’ GUILD / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

 

基本情報 Information

会期
2014年7月18日(金)~9月21日(日)
休館日: エルメス銀座店の営業日に準ずる
入場料:無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5‐4‐1 8階 TEL: 03-3569-3300)
主催: エルメス財団
後援: 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本