GINZA MAISON HERMÈS
Window Display
「内なる旅 -ティエリ・エルメスの創造の軌跡を望む‐」Journey within -a look at the creative journey of Thierry Hermes-
銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。エルメスの2026年のテーマは「冒険の呼び声」。ウィンドウという空間を使い、さまざまな夢の世界に誘います。今年の夏のウィンドウディスプレイを手掛けるのは、ロンドンを拠点に活動するアーティスト、ウィリアム・ウォーターハウスです。ウォーターハウスが着想を得たのは、エルメスの創業者であるティエリ・エルメスが、パリでメゾンを創業する前の姿でした。未来への夢と希望を胸に抱きながら、パリへ向かう旅路の途中の若きティエリ。その心に広がる期待や想像力を詩的に表現しています。古くから星は、航海者たちに進むべき方向を示す道標であり、未知の世界への探検を支える存在でした。今回のウィンドウにおいて星々は、そうした大いなる旅の目印であると同時に、想像力をかき立てる内なる風景や夢見る心の象徴として表現されています。正面のウィンドウが描き出すのは、海岸線に立つティエリが水平線と星空を見上げる情景。穏やかな海を思わせる鏡張りの床と宙に浮かぶ天体が連なるようなキネティック彫刻が作るシーンには、かつて大海原を渡る航海を導いた星座と、同時にティエリ・エルメスの心の中で芽生えつつあるアイディアや未来を形づくる創造の可能性という、二重の意味が込められています。現実と想像の2つの世界に存在する探求、その「はじまり」の瞬間を捉えた空間となっています。物語は、メゾンのファサードに並ぶ小窓へと続きます。小窓では、望遠鏡のシルエットを思わせる万華鏡のモチーフが主体です。望遠鏡とは、観察や科学、航海といった人類の知的探求を象徴するもの。一方、万華鏡は驚きや遊び心、そして創造性を象徴します。鏡と色彩によって現実を無限の可能性へと変化させる小窓ひとつひとつが、創造のプロセスそのものを映し出しているかのようです。ウォーターハウスは本作を通じて、エルメスの精神の根底にある子どものような好奇心を表現しました。夢が創造へと変わる瞬間を祝福しながら、観察から発明へ、旅からビジョンへと至る旅路が描かれたウィンドウディスプレイです。