GINZA MAISON HERMÈS
Le Studio
『シベリアの森にて』Dans les forêts de Sibérie
冒険の呼び声:雪の地平線2026.4.11(土)~ 4.30(木)
(c) Nord-Ouest Films, France 3 Cinéma, Zéphyr Productions, Canal +
ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。2026年のテーマは「冒険の呼び声」。
2026年のル・ステュディオは、『シベリアの森にて』(2016)の上映で幕を開けます。都会暮らしに疲弊した主人公は、極寒のシベリアで大自然の美しさと厳しさに圧倒され、生きることに向き合います。ぜひ、ご覧ください。
『シベリアの森にて』Dans les forêts de Sibérie
2016年/フランス/99分/カラー/ブルーレイ上映監督:サフィ・ネブー脚本:シルヴァン・テッソン、サフィ・ネブー、ダヴィド・オロファン製作:フィリップ・ボエファール、イブ・マシュエル、クリストフ・ロシニョン撮影:ジル・ポルト音楽:イブラヒム・マーロフ出演:ラファエル・ペルソナ、エフゲニー・シディキン
パリに暮らす青年テディは自由への渇望を満たすため、街の喧騒を離れ、真冬のシベリアへと赴く。凍ったバイカル湖畔の小屋に移り住み、厳しい寒さに耐えながらも、大自然の中での暮らしを謳歌していたある日、吹雪で遭難したところを森に隠れ住むロシア人逃亡者アレクセイに助けられる。偶然出会った全く境遇の異なる二人。だが彼らの間に友情が芽生えるには、さほど時間はかからなかった。作家であり探検家でもあるシルヴァン・テッソンの自伝的小説を映画化した本作は、美しく雄大なシベリアの自然と、そこで起きる人間ドラマを描き出す。
監督について Director
サフィ・ネブー/Safy Nebbou1968年、フランス、バイヨンヌ生まれ。アルジェリアとドイツにルーツを持つ映画監督、脚本家、舞台監督。演劇の学んだのち、俳優や舞台監督を経て短編映画を数本制作。2004年には長編デビュー作『Le cou de la girafe』が数々の映画祭で賞を受賞。その後も『L’Autre Dumas』('10)、ジュリエット・ビノシュ主演『私の知らないわたしの素顔』('19)などを発表。2017年には演劇界に復帰し、イングマール・ベルイマンの映画『ある結婚の風景』を舞台化して監督を務めた。
作品について About Film
ロビンソン・クルーソーのように、社会から離れて、ひとりで生きたい。多くのひとがそんな暮らしを夢みるが、その夢を実行に移すひとは滅多にいない。作家であり旅人でもあるシルヴァン・テッソンは、バイカル湖畔の小屋で、半年間、実際に孤独な生活をおくった。この体験を語るとき、テッソンは、アルベール・カミュの『追放と王国』を引き合いにだす。カミュによれば、わたしたちは、社会のなかで感じる居心地の悪さから逃れるために、どこか別の場所を求めるという。自分を偽らず、他人と争わず、自分らしく生きていると実感できる、そんな場所を求めるのだ。本作の主人公テディは、まさにそのような「別の場所」を探し求めていた。シルヴァン・テッソンの同名の紀行文を原作とするこの映画の主人公は、世界の喧騒に疲れ果て、パリから極寒のシベリアへと旅立った。完全なる孤独と沈黙という未知の体験を求めたのだ。厳しくも美しい自然のなかで、テディは新しい生活のルールを学んでいく。薪を割り、氷に穴をあけ、カヤックで移動し、凍てついた広大な湖面をスケートで滑る。日々の営みのひとつひとつが、新しい遊びを覚えるのと同じ喜びをもたらしてくれる。サフィ・ネブー監督は、俳優に演じることを求めなかった。むしろ、未知との出会いに驚く子どものように、素直な感情に身をゆだねるように指示したのだ。こうして、崇高な自然を前にした主人公の驚きと喜びの表情が画面に刻まれた。しかし、やがてその大自然が、命を脅かす存在として牙をむく。本作は、環境問題を正面から扱うものではない。むしろ画面の端々から、切実な問題が静かに浮きあがってくるように感じられる。映画は、ひとりの男の孤独な生活を追っていく。しかし、それだけでは、作品があまりに哲学的になりすぎる。あるいは記録映画のように見えてしまう。そこで映画の脚本に、原作には登場しないロシア人のアレクセイという人物が加えられた。森に身を潜めるアレクセイとの出会いは、テディの運命を変え、物語にドラマをもたらした。孤独を求めてシベリアにやってきたテディは、他人と関わるなかで道徳的な選択を迫られることになる。撮影後、シルヴァン・テッソンは、映画のために建てられた小屋でひと月ほど暮らした。現実をもとに作られた映画のセットが、実際に生活の場となったのだ。現実とフィクションがぐるりと円環を描いて繋がったのである。アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
会場 Access
銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
上映スケジュール Schedule
予約 Reservation
※このプログラムの上映は既に終了いたしております。
お知らせ(1)
6月は、施設都合により、ル・ステュディオの上映はございません。次の上映は7月になりますのでご注意ください。7月の上映作品および予約開始日は、6月の2週目頃に告知予定です。
お知らせ(2)
7月の上映の予約から、予約システムが新しくなる予定です。登録方法などの詳細は、6月上旬配信のメールニュースにてご確認ください。
銀座メゾンエルメス
銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイ、アート・ギャラリー「フォーラム」、予約制のミニシアター「ル・ステュディオ」の最新情報をお知らせします。