GINZA MAISON HERMÈS

Window Display

「I'm Gonna Move Right In」

2025.12.11(木)~2026.2.25(水)

銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。

エルメスの2025年のテーマは「ドローイング」。ウィンドウという空間を使い、さまざまな夢の世界に誘います。

2025年最後のウィンドウディスプレイを手掛けるのは、フランスのアーティストデュオ、マルジック&モリソーです。白黒のドローイング表現で知られる彼らは今回、パネル、立体的なドローイング、アニメーションなど、さまざまな媒体を用い、没入感のある空間を演出したいと考えました。エルメスのオブジェを遊び心たっぷりに配置し、ユーモア、詩情、不可思議さを効かせたドローイングが織りなすウィンドウディスプレイです。
マルジック&モリソーのドローイング作品の特徴は、特定の物語を伝えるものではなく、むしろ物語を暗示するオープンエンドとなっているという点です。そのため今回のウィンドウも、見た人々が自由に解釈することが出来ます。また、白黒のコントラストは見る者に思考の余白を残すと同時に、エルメスのオブジェを際立たせます。
右側のウィンドウの前の方には速歩(はやあし)の馬がいて、その頭はスクリーンになっており、絶えず変化するアニメーションが映し出されています。馬の頭はもちろんのこと、靴や鳥、乗り物、そしてもっと抽象的なものにも変化する、ユーモアと詩情が交互に現れるアニメーションで、1001種の頭を持つ馬です。
この馬の左側では、まるで花束のようなボリュームのある足がエルメスのさまざまな靴を支えています。天井では、まるで重力に抗うかのように、別の足が逆向きにエルメスの靴を支えます。 そして、その後ろでは、不可思議なイモムシと大きな頭が向かい合っています。
大きな頭のスクリーンには、ループしたアニメーションが映し出され、色とりどりのルーレットのようなものが、回転しています。まるで頭の中で起こっていることの断面を映し出しているかのようです。脳内で繰り広げられる、遊び心のあるポップな活動。アニメーションは明るく前向きで、この二人のキャラクターは本当に仲が良さそうです。イモムシは帽子を被っています。
一方で、左側のウィンドウでは、エルメスの蝶ネクタイをつけたプードルが、抽象的なアニメーションが映し出されたスクリーンを見ています。このアニメーションは、洋服の内部の動きを表現しています。抽象的な形状(エルメスのアイコンのように見えることもあります)があらゆる方向に動き、犬と通行人に催眠効果をもたらします。
背景や床には四方八方に動く線の嵐。サイクロン(爆風)、雲、泡、花火が混ざり合って、前景の絵の明確な線とは対照的な濃密なタペストリーのようなものを作り出しています。
タイトルの“I’m Gonna Move Right In”は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのインストメンタル曲です。「この曲は、今回のインスタレーションのいわばオリジナルサウンドトラックになるでしょう。私たちはこのバンドを普段から聴いていて、彼らの音楽が私たちの描くラインやアイディアに影響を与えているのは間違いありません。 そして、タイトルの最後はこう締めくくることが出来ます。”I’m gonna move right in this Hermès window!”」

 

アーティストプロフィール Artist Profile

マルジック&モリゾー Mrzyk & Moriceau

ペトラ・マルジックとジャン=フランソワ・モリソーは30年前、フランスのカンペール美術学校で出会って以来、活動を共にしている。マルジックとモリソーは展覧会、プレート、ミュージックビデオ、雑誌、タトゥー、児童書、地下鉄の切符、映画のクレジットなど、さまざまな作品のために共に絵を描いており、モットーは、「一日一枚の絵で医者いらず!」。