GINZA MAISON HERMÈS
Le Studio
『燃ゆる女の肖像』
Portrait de la Jeune Fille en Feu
ドローイング - 描く -:見て、見られて
2025.9.1(月)~ 9.30(火)
(c) Lilies Films.
ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2025年のテーマは「ドローイング - 描く -」。
9月のル・ステュディオでは、『燃ゆる女の肖像』(2019)を上映します。
画家・マリアンヌは、肖像画の依頼を受け、フランス北西部にある小さな島にやってきます。
その島に暮らす貴族の娘・エロイーズは、結婚を拒み、婚約のための肖像画制作も拒んでいるため、
マリアンヌは画家であることを隠してエロイーズに出会い、気づかれないように観察し、秘密裏に描きあげようと試みます。
次第に、2人の女性の「見て、見られて」の関係は、緊張と警戒から親密なものへと変化していくのです。
18世紀のフランス社会を舞台に、女性として生きる苦悩と覚悟を描いたラブストーリーを、ぜひご覧ください。
『燃ゆる女の肖像』
Portrait de la Jeune Fille en Feu
2019年/フランス/122分/カラー/ブルーレイ上映
監督・脚本:セリーヌ・シアマ
製作:ベネディクト・クーブルール
撮影:クレール・マトン
美術:トマ・グレゾー
衣装:ドロテ・ギロー
編集:ジュリアン・ラシュレー
音楽:パラ・ワン(ジャン=バティスト・デ・ラウビエ)、アルチュール・シモニーニ
出演:ノエミ・メルラン、アデル・エネル、ルアナ・バイラミ、ヴァレリア・ゴリノ
配給:ギャガ
18世紀フランス、ブルターニュの孤島を舞台に、結ばれるはずのない二人の女性の恋を描くラブロマンス。画家のマリアンヌはブルターニュの伯爵夫人から娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。だがエロイーズ自身は結婚を拒んでいた。身分を隠して近づき、密かに肖像画を完成させたマリアンヌだったが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを否定される。描き直すと決めたマリアンヌに、意外にもモデルになると申し出るエロイーズ。キャンバスをはさんで見つめ合い、美しい島を共に散策し、音楽や文学について語り合ううちに恋に落ちる二人。約束の5日後、肖像画はあと一筆で完成となるが、それは別れを意味していた……。
監督について Director
セリーヌ・シアマ/Céline Sciamma
1978年、フランス、ヴァル=ドワーズ生まれ。フランス文学で修士号取得後、ラ・フェミスの脚本コースで学ぶ。2004年、脚本家としてデビュー。2007年に制作した長編『水の中のつぼみ』がカンヌ国際映画祭「ある視点部門」で高い評価を受ける。続く『トムボーイ』('11)はベルリン国際映画祭のパノラマ部門でテディ賞を受賞。さらに『ガールフッド』('14)はセザール賞の多部門でノミネートされ、ストックホルム国際映画祭ではグランプリを受賞。脚本で参加の『ぼくの名前はズッキーニ』('16)がセザール賞で脚色賞を受賞。『燃ゆる女の肖像』はカンヌ国際映画祭脚本賞とクィア・パルム賞に輝き、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた。長編最新作に『秘密の森の、その向こう』('21)がある。
作品について About Film
この映画には、男性がほとんど登場しない。冒頭、船乗りの男たちがほんの一瞬画面に映るが、その姿もすぐに消え去り、物語は、出自も境遇も異なる4人の女性たちだけで紡がれていく。『燃ゆる女の肖像』は、荒れる海と厳しい自然を背景に描かれる「フェミニズム映画」である。この映画にくりかえし現れる炎は、女たちの愛の苦悩と情熱を象徴するものであり、また時には単なる象徴を超えて、文字どおり女の身を焦がす炎が、愛の苦悩そのものを具現するのだ。
カメラは、肖像画を制作する女性画家とそのモデルのあいだで、恋がしずかに芽生えていく様子を丹念に写しとる。そこには衝動も激情もなく、ただ、相手を求める気持ちだけが、交差する視線のなかにゆっくりと浮かびあがってくる。肖像画のモデルとなったエロイーズは画家のマリアンヌを見つめ、マリアンヌは絵を描くためにエロイーズを細やかに観察する。やわらかな光が、飾りのない室内を満たし、ふたりの衣装と肌の色をひき立てる。その光はまた、女優たちの現代的な顔立ちをやわらげ、十八世紀の肖像画を思わせる穏やかな空気をまとわせる。
セリーヌ・シアマ監督は、これまで一貫して現代社会における「女性性」を問いつづけてきた。十八世紀を舞台とする『燃ゆる女の肖像』は、その点からすれば例外的な作品である。そしてこの作品は、美術史に無視された十八世紀の女性画家たちへのオマージュとなっている。
女性性というテーマは、若い女中の登場によってさらなる広がりを見せる。厳格な身分社会にありながら、エロイーズとマリアンヌは身分や立場を超えて女中と親密な関係をむすび、彼女の堕胎に付き添ったりもする。また、このテーマに関して特に印象深いのは、女たちが輪になって、みんなで手を叩きながら合唱するシーンである。そのシーンは本作で音楽が使われるほぼ唯一の場面であり、それだけにいっそう女たちの連帯感がつよく心に響いてくる。
十八世紀の道徳と習俗からすれば、エロイーズとマリアンヌの恋が報われることは決してない。劇中で朗読される「オルフェウスとエウリュディケ」の神話は、ふたりの叶わぬ恋と重なりあうように語られる。その神話との類似は、別れの場面でもっとも明らかになる。オルフェウスと同じく、マリアンヌは去りぎわに振りかえり、エロイーズを見つめるのだ。
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
会場 Access
銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
上映スケジュール Schedule
予約 Reservation
※このプログラムの上映は既に終了いたしております。
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2025年9月以降の予約受付の変更について
日ごろより、銀座メゾンエルメスに足を運んでくださり、誠にありがとうございます。
ル・ステュディオは、開館以来、多くのかたに好評いただいており、20年以上にわたって皆様に支えられ、たくさんの作品をお届けしてまいりました。
弊館は席数も上映回数も限りがあり、ひとりでも多くのかたに見に来ていただくために、この度、予約の承り方を変更させていただくことになりました。
これまで、お客様には、1プログラム(1か月)に1回のご予約を承ってまいりましたが、今年の9月以降は【2プログラム(2か月)に1回のご予約】とさせていただきます。
・9月、10月で1回のご予約
・11月、12月で1回のご予約
毎月の上映回数は変更ございません。
より多くのかたがたに喜びと発見のある時間を過ごしていただけるよう、これからも活動してまいります。
ご理解いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
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