GINZA MAISON HERMÈS

Window Display

「プリーズ・ホールド・ザ・ライン」
Please Hold The Line

2025.5.29(木)~9.29(月)
銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。

エルメスの2025年のテーマは「ドローイング」。ウィンドウという空間を使い、さまざまな夢の世界に誘います。

「私の仕事は、あらゆる手段を使って物語を語ることと言えます。 ドローイング、デザイン、舞台美術、そしてストーリーに最も適したさまざまなスタイルで。今回のウィンドウディスプレイは、「ドローイング‐描く‐」というエルメスの2025年の年間テーマを基に制作しました。
私がデザインした同名のカレのデザインをベースに、正面ウィンドウの細部に至るまで、すべてを直にペンでドローイングし、2週間程の日数をかけて描き上げました。
タイトルは「プリーズ、ホールド・ザ・ライン(少々、お待ちください)」、なぜかというと、例えば、仕事のためにエルメスに電話をかけた時、エルメス側が「少々お待ちください」と応答します。その電話を待っている間に描くちょっとした絵が着想源になっているからです。電話を待っているときに、何気なく、4色ボールペンで思いつくままに、または無意識にいろいろなものを描きます。よって、この絵の中にはエルメスの電話番号も描かれています。また、ウィンドウも4色ボールペンで描かれているかのように、青、赤、緑、黒の4色のみで描きました。
このドローイングはひとつの夢想であり、このウィンドウディスプレイを通して追い求めた一種の逃避なのです。
今回のウィンドウは文字通り、絵の中の旅であり、不思議の国のアリスが穴に落ちた時のような、あるいは覗きガラスから見るような、動くことなく行われる想像の世界への旅。このウィンドウには鏡があり、空間とドローイングを無限に増殖させます。それらは想像上のリアリティ、バーチャルで不思議な世界を象徴しています。
今回のウィンドウはファンタジーに満ちた別世界への通路であり、魔法がかったグラフィカルなきらびやかな世界です。私たちは、エルメスの製品がこのちょっと風変わりな空間に散りばめられ、ドローイングとともに隠れたり、自由に遊んだりする中で、命を吹き込まれていくのを発見します。エルメスのオブジェには魂が宿る、とはよく言ったものです。
また、これは夢の中を歩いているようなものでもあるのです。というのも、ドローイングは私にとってとても大切な仕事そのものだからです。
私はいつも絵を描いてきました。絵を描くということは必要不可欠なことであり、探求し続けることであり、新しい描き方を見つけるために冒険することです。」

語り:ディミトリ・リバルチェンコ
 

<日本語>

<ENGLISH>

アーティストプロフィール Artist Profile

ディミトリ・リバルチェンコ Dimitri Rybaltchenko

ディミトリ・リバルチェンコはパリを拠点に活動するフリーランスのアーティスト。エルメスのカレのデザインを数多く手がけたフィリップ・ルドゥを大叔父に、ウラジミール・リバルチェンコを父に持つ。30年以上にわたり、エルメスのカレのデザインをし、また数々の大手ブランドの仕事を手がけている。彼の作品でもっとも印象的なのは、この世界の理をすり抜けていく広がり。かたちやものがあふれ出て、はるか彼方の未知の世界へ飛んでいく。そして陰影の中のディテールに夢想や感情を描き出し、心の奥をのぞかせる。多彩な色とコミカルなタッチが特徴のディミトリ・リバルチェンコの作品には、物語やおとぎ話のようなストーリー性がある。