GINZA MAISON HERMÈS
Le Studio
『ミステリアス・ピカソ 天才の秘密』
Le Mystère Picasso
ドローイング - 描く -:動きをとらえる
2025.2.8(土)~ 2.28(金)
(c)Collection Gaumont – 1956
ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2025年のテーマは「ドローイング - 描く -」。
2025年のル・ステュディオの幕開けを飾るのは『ミステリアス・ピカソ 天才の秘密』です。
絵筆を自由自在に使って創造のエネルギーを繰り出すピカソ。
2月は「動きをとらえる」というテーマのもと、20世紀を代表する画家がキャンバスと対峙する姿をおさめたアート・ドキュメンタリーをお楽しみください。
『ミステリアス・ピカソ 天才の秘密』
Le Mystère Picasso
1956年/フランス/78分/モノクロ&カラー/ブルーレイ上映
監督&製作:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
撮影:クロード・ルノワール
音楽:ジョルジュ・オーリック
編集:アンリ・コルピ
出演:パブロ・ピカソ、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、
クロード・ルノワール
パブロ・ピカソの創作の秘密を解き明かすドキュメンタリー。監督のアンリ=ジョルジュ・クルーゾーは映画スタジオに半透明なカンバスと特殊なインクを使った装置を用意して、ピカソの仕事風景を撮影する。モノクロやカラー、さまざまな技法を駆使してカンバスに描き出されるキュビズム作品、その一筆ごとを我々は目撃することになる。本作は20世紀の最も偉大な画家の一人であるピカソの創作過程を示す傑出した証拠映像と言えるだろう。
監督について Director
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー/Henri-Georges Clouzot
1907年11月20日生まれ。政治学を学び、ジャーナリストを経て、脚本家として映画界へ入る。その後、監督したサスペンス映画『犯人は21番に住む』('42)、『密告』('43)、『犯罪河岸』('47)で名を馳せる。イヴ・モンタン主演の『恐怖の報酬』('53)はカンヌ国際映画祭でグランプリと男優賞を受賞、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。1955年のサイコスリラー『悪魔のような女』でも大成功を収め、フランスのヒッチコックと呼ばれるようになった。
作品について About Film
絵画好きで知られる著名な映画監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾーが、二十世紀を代表する天才画家の制作風景をカメラに収め、美術史に新たな一ページを加えた。しかも、撮影用に制作された絵画の大半が廃棄され、映像でしか残されなかったこともあり、この映画はきわめて貴重な記録となっている。
映画監督と画家は、短篇映画を撮るためにスタジオにこもった。撮影期間は三ヶ月に及んだ。その間、クルーゾーは、作品が描かれていく様子を、透明なキャンバスの裏側から撮影した。画家の姿はキャンバスに隠れて映らないが、創作過程のすべてが最初の一筆から最後の一筆にいたるまで記録された。
撮影当時、巨匠はすでに数十年にわたって絵画を革新しつづけていた。本作でも、独自のキュビスムを追求しながら、裸婦、動物、闘牛といった馴染みの画題を描いている。白いキャンバスのうえに、まるで魔法のように次から次へと線や形があらわれ、やがて色彩が加えられていく。
どんな作品が生まれるのか。画面は絶えまなく変化し、観客はその運動に心を奪われる。構図の巧みさに目を見張り、官能性と力強さの抱擁に息をのむ。ついに完成した。と思った瞬間に、観客の確信は裏切られる。画家はコンセプトを変え、モチーフを塗りつぶし、別の色を加える。そして、突然、鳥の横顔だったものが人間の顔に変わるのだ。
「ドラマが欲しかったんだろ?」。ピカソはクルーゾーにそんな言葉を投げかける。事実、サスペンス映画の巨匠クルーゾーは、作品にドラマ性を求めた。監督みずからが画面に登場し、フィルムの長さに制約があることを画家に思い出させる。この場面は、物語の幕間となっただけでなく、この映画がまさに撮影中の作品であり、映画固有の視覚性と音響性をもつことを改めて気づかせる。クルーゾーは、ピカソの創作過程を「スピードアップ」するために編集を用い、キャンバスの大きさに合わせて画面サイズを拡大し、BGMを中断する。静寂のなか、フェルトペンがキャンバスをこする音だけが聞こえてくる。そのノイズが、姿の見えない画家の身振りをイメージさせる。
ランボーが『酔いどれ船』を書いたとき、その頭の中では何が起きていたのか。どうしてもそれが知りたいと、クルーゾーは映画の冒頭で語っていた。その謎は、創作過程に立ち会えば解明されるのだろうか。いや、そんなことをしても、天才の秘密はなにひとつ明らかにならない。ピカソは謎のままにとどまるのだ。
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
公開スケジュール Schedule
【上映日】
2月8日(土)、9日(日)、11日(火・祝)、14日(金)、15日(土)、16日(日)、22日(土)、23日(日・祝)、24日(月・祝)、28日(金)
【上映時間】
11:00/14:00/17:00
会場 Access
銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
予約 Reservation
※このプログラムの上映は既に終了いたしております。
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