今年最後の表参道ウィンドウを手掛けたのは、フランス人アーティストマクシミリアン・ペレです。マクシミリアンは、主にセラミックを用いて絵画のような作品を制作します。今回のウィンドウを制作するにあたり、フォーブル店にあるエミール・エルメス・コレクション、そして屋上の庭を訪れました。そこで、「職人」と「リンゴの古木」という2つの架空のキャラクターを思い浮かべ、それらの存在を中心に、この2つのウィンドウを創造しています。
さながら絵本のようなタイトルが付けられたウィンドウ。左右のウィンドウには、ウォールナッツ材とセラミックなどを組み合わせて制作された木馬や職人、そして職人の手が、ウィンドウいっぱいに置かれ、そこには同じくセラミックで制作された無数のリンゴ、そしてフォーブルの屋上にいる花火師が打ち上げた花火が取り囲んでいます。また、いくつかの手は職人の作業中の繊細な動作を表わし、木馬は封印された扉や木馬をめぐる何世紀も前の詩を通しているかのような想像をもとに、ウィンドウとして表現しました。
リンゴの古木の存在は、例えば、フォーブル店の屋上庭園でのレセプション中に奇跡的に雨のように降ったと言われるリンゴを暗示しています。この夢のような2枚の絵画のようなウィンドウディスプレイを通して、フォーブルの「精霊」が喜び、祝い、花火の中で混ざり合います。エルメスのバックボーンである2つの中心的な存在を主題としたウィンドウは、フォーブル店が現在の姿に改装され100周年となる2024年を締めくくるにふさわしい、詩的なオマージュとなっています。