銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。
エルメスの2024年のテーマは「フォーブルの魂」。ウィンドウという空間を使い、さまざまな夢の世界に誘います。
「フォーブルの魂」という2024年のテーマを聞いてすぐに思い浮かんだのは、パリの郊外でした。ベルエポックから現代にいたるまで、パリ市民の夜遊びに欠かせない幻想の王国。有名な劇場やキャバレーが通りに軒を並べ、現実を離れた浮世へと人々を誘います。
今回のウィンドウにはどこか芝居がかった雰囲気があると思います。空間演出を通じ、現実と虚構の境がどこまでも曖昧になるように舞台を整えました。
正面のウィンドウでは、表現とエルメスの世界がひとつになり、動きを静止した映画のワンシーンのようになっています。マジシャンのような人形のポケットやチュニックからは、エルメスのさまざまなオブジェがのぞいています。オブジェは衣装の生地や木板のペイントと調和し、舞台全体に溶け込んでいます。
さまざまなものが一体となった舞台そのものがペイントされ、職人技に通じる一面を見せています。チェック模様からより大きなブロックまで、空間はさまざまに色分けされ、ジョットのフレスコ画を思わせると同時に、開放的なテラス席のようでもあります。ペンキで塗られた木の装飾も同様に色分けし仕上げられています。