GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『人生は小説なり』
La vie est un roman

フォーブルの魂:幸福の三つの理論
2024.8.3(土)~ 8.31(土)

(c) DR-MK2

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2024年のテーマは「フォーブルの魂」。

8月は、3つの物語が複雑に交差する未完結の舞台の中に飲み込まれてしまった主人公たちのアンサンブル劇『人生は小説なり』。
 

『人生は小説なり』
La vie est un roman

1983年/フランス/106分/カラー/ブルーレイ上映

監督:アラン・レネ
脚本:ジャン・グリュオー
製作:フィリップ・デュサール
撮影:ブリュノ・ニュイッテン
音楽:M・フィリップ=ジェラール
出演:ヴィットリオ・ガスマン、ルッジェーロ・ライモンディ、ジェラルディン・チャップリン、ファニー・アルダン、ピエール・アルディティ、サビーヌ・アゼマ

第一次大戦後の1919年、フォルベック伯爵はアルデンヌの森に建てた城に、かつての婚約者や友人たちを招き、彼らを永久に幸福な状態に導くという狂気の実験を行おうとしていた……。時代は変わって1982年、同じ城は先進的な教育機関の本拠地となっており、そこでは「想像力の教育」をテーマにしたシンポジウムが開かれていた。だが参加者たちの意見は一向に噛み合わず、会議は軌道を逸れてばかり。そんな大人たちの不協和音を尻目に、3人の子供たちが自由な想像力を発揮し、王子が暴君に勝利して民衆に幸福をもたらすという中世の物語を作り出す……。本作は3つの物語が複雑に交差しながら、幸福と愛の探求、子供の教育、想像力の尊重といったテーマを皮肉と遊び心をもって描いている。

監督について Director

アラン・レネ/Alain Resnais

1922年フランス、ヴァンヌ生まれ。幼少の頃から映画や漫画に熱中し、高等映画学院を経て、16ミリで美術を題材にした短編を撮り続ける。1948年に短編『ヴァン・ゴッホ』にてデビュー。その後、アウシュビッツ収容所を題材にした『夜と霧』('55)で名を知られるようになる。初の長編『二十四時間の情事』('59)が世界的に反響を呼び、以後『去年マリンバードで』('61)、『ベトナムから遠く離れて』('67)などを発表、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督となる。他に『薔薇のスタビスキー』('74)、『アメリカの伯父さん』('80)、『恋するシャンソン』('97)、『風にそよぐ草』('09)などがある。2014年3月1日、91歳で死去。同月、遺作となる『愛して飲んで歌って』が公開された。

 

作品について About Film

アラン・レネ自身が認めるように、彼の映画はとても注意ぶかく見なければならない。物語はいつも直線的に進まず、時間はたえず錯綜する。そのような作品をまえにして、観客は、登場人物に共感することもできず、物語に没入することもできなくなる。アラン・レネは、わたしたちが作品世界に身をゆだねるよりも、作品から距離をとり、批判的な視点をもつように求めるのだ。
このことは、特に『人生は小説なり』にあてはまる。時代の異なる三つの物語が交錯し、さまざまなひとびとが、この世界をより良くする「幸福の方程式」を見つけようと奮闘する。
奇妙な城が、森のはずれに建っている。ある貴族がつくったこの城が、物語の唯一の舞台として三つの時代をむすびつける。異なる要素がちぐはぐに並んだ風変わりな建物は、ひとびとの考えをひとつにまとめることの難しさをあらわしている。ユートピアとは、実現困難な夢にすぎないのだ。
時代が変われば、表現のスタイルも変わる。中世を舞台とした騎士物語は、童話の挿絵のような世界のなかで展開する。
1900年代(もっと正確に言えば、第一次世界大戦の前後)の物語では、戦争で心に傷を負ったフォルベック伯爵が、招待客をまきこんで奇妙な実験をとりおこなう。はじめは気晴らしのつもりで参加した客たちも、気がつけば、迷宮のような東洋風の宮殿に囚われ、悪夢のなかに閉じこめられていた。
これに比べると、現代を舞台にした教育学会の場面はとてもリアルである。ただし、会話の途中で登場人物が歌いはじめるのはリアリズムから逸脱するが、レネによれば、会話よりも歌のほうが感情をストレートに表現できるのだ。もちろん、レネは、歌と会話を交互に入れ替えることで観客を驚かせようとしており、また、皮肉とユーモアを込めて現代社会を描いているのであり、しかも、そうすることを明らかに楽しんでいるのだ。学会では、意見がぶつかりあい、恋人たちがすれ違い、理想に燃える純粋なひとびとが無愛想な奇人と対立し、不協和音がそこかしこで鳴りひびいている。大人たちが、想像力の育み方について議論を戦わせているあいだに、子どもたちは好き勝手に遊び、想像の翼をおおきく広げていた。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

 

公開スケジュール Schedule

【上映日】
8月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日)、12日(月・祝)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)、31日(土)

【上映時間】
11:00/14:00/17:00

 

会場 Access

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。

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