GINZA MAISON HERMÈS
Le Studio
『セラヴィ!』
Le Sens de la fête
フォーブルの魂:舞台裏
2024.3.9(土)~ 3.31(日)
(c) 2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2024年のテーマは「フォーブルの魂」。
幕開けとなる3月は、パリ郊外の古城を舞台とした結婚式。人生で最高の感動!の一日のはずが、集まった人々の思惑や人生が交差して……
トラブルまみれの大惨事(?)をシニカルに描いたコメディ『セラヴィ!』をお届けします。
『セラヴィ!』
Le Sens de la fête
2017年/フランス/117分/カラー/ブルーレイ上映
監督・脚本:エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ
製作:ニコラ・デュバル・アダソフスキ、ローラン・ゼイトゥン、ヤン・ゼヌー
音楽:アビシャイ・コーエン
撮影:ダーヴィッド・シザレ
出演:ジャン=ピエール・バクリ、ジャン=ポール・ルーブ、
ジル・ルルーシュ、バンサン・マケーニュ
提供・配給:パルコ
『最強のふたり』のエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督が、パリ郊外の古城で開かれる結婚式を舞台に、人々の人生や思惑が交差していく様子を軽妙なタッチで描いたコメディドラマ。30年間にわたり数多くの結婚式を手がけてきたベテラン・ウェディングプランナーのマックスは、近頃、引退を考え始めていた。そんなある日、ピエールとヘレナというカップルからの依頼で、17世紀の城を式場にした豪華絢爛な結婚式をプロデュースすることに。いつも通り、式を成功させるため様々な準備を整えて当日に臨むマックスだったが、ウェイターはシワシワなシャツに奇妙なヒゲ、スタッフのひとりは新婦を口説き始め、オーケストラはワンマンショー気取り、と、トラブルが続発。マックスの努力は全て泡と消え、感動的になるはずの式は大惨事と化してしまう……。
監督について Director
エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ/Éric Toledano and Olivier Nakache
トレダノは1971年、パリ生まれ。ナカシュは1973年、オー=ド=セーヌ生まれ。ともに北アフリカ系ユダヤ人としてのルーツを持つ。1995年の短編『Le jour et la nuit』でタッグを組む。2005年、『Je préfère qu'on reste amis』長編デビュー。2011年、長編4作目となる『最強のふたり』がセザール賞、ゴールデン・グローブ賞などにノミネートされ、世界各国で大ヒットを記録、二人の代表作となった。同作は2019年に『THE UPSIDE/最強のふたり』としてハリウッドでリメイクされている。その他にも『サンバ』('14)、『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』('19)、『Une année difficile』('23)など、精力的に作品を発表し続けている。
作品について About Film
世界中で大ヒットを記録した『最強のふたり』という映画を覚えているだろうか。本作と同じく、オリビエ・ナカシュ&エリック・トレダノ監督の作品で、首から下が麻痺した初老の大富豪と、彼の介護をすることになったスラム街出身のバイタリティあふれる若者の物語だ。対立する世界を結びつけようとするナカシュとトレダノの温かな眼差しは、本作でも変わらない。共通点ゼロのふたりが主人公だった前作と異なり、本作では、一癖も二癖もある個性豊かな面々が、結婚式の裏方として、コミカルな群像劇を繰りひろげる。
本作『セラヴィ!』は、ユーモアとペーソスを織りまぜた大衆向け喜劇映画のお手本のような作品である。また、この作品は、ロバート・アルトマンの群像劇や1960〜70年代のイタリア映画と同じく、現実社会のメタファーともなっている。ナカシュとトレダノは自ら脚本も手がけ、ツボをおさえたギャグを次から次へと繰りだしていく。この群像喜劇を演じるのは、古典劇や現代劇の舞台俳優、アート系やエンタメ系の映画俳優、コメディアンなど、多様なバックグランドをもつ役者たちである。この寄せ集めのようなキャスティングには、しかし、明確な一貫性がある。どの俳優もナカシュとトレダノを信頼し、演技を心から楽しんでいるのだ。不機嫌な男、おしゃべりな女、お菓子をずっと食べつづける男、気詰まりなブルジョワ。役者たちは、役柄を誇張しすぎないように気をつけながら、劇中人物の弱さや虚栄心をあらわにする。そして、観客はそこに自分自身の弱さや虚栄心を見出すのだ。ナカシュとトレダノは、最後まで、笑いの手をゆるめない。空のかなたに飛び去っていく新郎をみんなで見上げる場面は、詩的な美しささえ漂わせる。
フランスの伝統に則り、結婚式は由緒ある古い城館でとり行われる。しかし、だれもかれもが自分勝手に振舞い、災害級のトラブルが続出する。そのドタバタをつうじて、文化の衝突や民族間の対立が浮き彫りになる。たとえば、アフガニスタン人が古典的な従僕の衣装を着ることの違和感に、その種の対立や衝突が如実にあらわれる。しかし、本作は、既成秩序を覆そうとするものではなく、むしろ、フランスの現代社会を映しだす鏡であろうとする。今日のフランスでは、多様なひとびとがどうにかこうにか共存しているが、そのような社会はすでにユートピアに近いのだ。
みんなで力を合わせ、障害や対立をのりこえ、プロジェクトを完成に導くという物語は、映画づくりのような別の文脈にも当てはめられる。映画を愛するナカシュとトレダノも、おそらくそのように考えて、この作品をつくったのではないだろうか。
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
公開スケジュール Schedule
【上映日】
3月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)、20日(水・祝)、22日(金)、23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)
【上映時間】
11:00/14:00/17:00
会場 Access
銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
予約 Reservation
※このプログラムの上映は既に終了いたしております。
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