銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。
ウィンドウという空間の中で、商品とアーティストの作品の融合をお楽しみください。
視覚的な効果を探求する上で最も重要な要素の一つである色。「なぜ私が色を取り扱うのか、それはヴァリエーションやボリュームを研究する上で、置き換えて無限に遊ぶことが出来るからだよ。」とル・パルクは言います。色を単なる色彩として扱うのではなく、形や容量(ボリューム)をもつものとして考えるアーティストは、独自の視覚遊びをテーマとした銀座のウィンドウを手がけました。正面のウィンドウでは、店舗に入る前に、ふと自分が外側にいるのか内側にいるのか分からなくなるような感覚を演出するためアーカイブからCibleを選びました。中に立つマネキンは動かないものの、街を歩く私たちが動くことでウィンドウの見え方が幾通りにも変わります。上部から吊られたミラーパネルを通してみるとウィンドウはいつもとは全く異なる不思議な感覚を与えるでしょう。一方、ファサードに面した16個のショーケースでは、70・80年代に制作された絵画シリーズ“Alchimie”と”Modulation”の中から選んだ作品群を部分的に立体にすることで、まるでアーカイブ作品が書籍から飛び出してエルメスの商品と一体になったような空間が生み出されました。“Alchimie”の絵画はモノクロのグラデーションから始まり、徐々に色や物語が加わる、現実と仮想のまじりあうシリーズです。また、”Modulation”は動きのあるチューブが立体や平面となりながら、奥行や横の広がりを生み出すことを研究したシリーズです。これらの一連の作品は、92歳となる今もチャレンジを続けるル・パルクとの遠隔でのやり取りのもと制作されました。