『鑑定士と顔のない依頼人』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『鑑定士と顔のない依頼人』
The Best Offer

オブジェに宿るもの:キャンバスの向こう側
2017.5.3(水・祝)~5.28(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2017年は「オブジェに宿るもの」をテーマにお届けいたします。
5月は美術品コレクションをめぐるミステリー『鑑定士と顔のない依頼人』を上映いたします。

 

『鑑定士と顔のない依頼人』 The Best Offer

2013年/イタリア/131分/カラー/ブルーレイ

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
製作:イザベラ・コクッツァ、アルトゥーロ・パーリャ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
撮影:ファビオ・ザマリオン
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルビア・ホークス、ドナルド・サザーランド
フォトクレジット:© 2012 Paco Cinematografica srl.
天才的鑑定眼を持ち、世界中の美術品を仕切る一流鑑定士、ヴァージル・オールドマン。彼のもとに、ある資産家から鑑定依頼が届く。屋敷を訪ねるも、謎に満ちた依頼人の若い女は偽りの口実を重ね、決して姿を現さない。不信感を抱くヴァージルだったが、屋敷の床に、本物ならば歴史的発見となるある美術品の一部を見つける。独自に調査を進めながら、依頼人の身辺を探り始めるが……。イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が巨匠エンニオ・モリコーネの音楽に乗せ、知的で刺激的な謎を散りばめて紡ぐ極上のミステリー。
 

作品について About Film

老境に達した人間嫌いの男が、豪華なアパルトマンにたったひとりで住んでいる。男が愛するのは、秘かに収集する肖像画のなかの女たちだけだった。男の分身のように、ひとりの若い女が世間から身をかくし、広大な屋敷にとじこもって暮らしている。屋敷には、古美術商をうならせるほどの名品が並んでいる。美術愛好家の男は、これまでずっと、人間的な感情よりも芸術作品の美しさとそれがもたらす喜びを重んじてきた。そんな男が、期せずして、若い女と関係を結ぶことになる。

劇中の人物が古い機械式の人形を少しずつ復元するように、ジュゼッペ・トルナトーレ監督は、パズルのピースをひとつずつ組み立てながら物語を進め、随所に散りばめた伏線をラストで一気に回収する。トルナトーレ監督は、登場人物をもてあそぶだけでなく、私たち観客をも瞞そうとする。芸術作品や人間の心のなかには、どれだけの真実があるのだろうか。絵画や映画はすべて偽りではないのか。

封切り時に、ある批評家がこの作品を評して「やや通俗的なきらいはあるが、ゆったりとしたリズムと落ち着いた美意識を感じさせる」と述べていた。確かに、この作品が公開された2013年当時は、スピーディでインパクトのある演出が一般的だった。『鑑定士と顔のない依頼人』はそんな時代に逆行し、クラシカルなスタイルと静かな緊張感、豪華な舞台装置と手の込んだ映像で、観客を惹きつけた。往年のハリウッド映画を彷彿とさせるストーリーには、ロマンチックなゴシック映画の要素がすべて盛り込まれている(謎めいた屋敷、過去に囚われたヒロイン、裏の顔をもつ人々……)。

熱烈なシネフィルであるトルナトーレ監督は、『ニュー・シネマ・パラダイス』や『明日を夢見て』といった過去の作品でも、映画の魔術や虚構性を物語にとり込んでいた。ラブストーリーとミステリーが入り交じった本作では、ジェフリー・ラッシュが演じる主人公ヴァージル・オールドマンが、恋愛と謎解きの罠におちていく。舞台出身の俳優らしく、ジェフリー・ラッシュの演技は堂々たるもので、せりふ回しにも非の打ちどころがない。ニュアンスに富んだ圧倒的な演技力で、傲慢な天才鑑定士の不意の破滅をみごとに演じきった。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
上映日:5月3日(水・祝)、5月4日(木・祝)、5月5日(金・祝)、5月6日(土)、5月7日(日)、5月13日(土)、5月14日(日)、5月20日(土)、5月21日(日)、5月27日(土)、5月28日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。