GINZA MAISON HERMÈS

Le Forum

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展
“Visitors” by Christian Hidaka & Takeshi Murata

2022.10.21(金)~2023.1.31(火)

エルメス財団は、クリスチャン・ヒダカ(1977年千葉県野田市生まれ、イギリス・ロンドン在住)とタケシ・ムラタ(1974年アメリカ・シカゴ生まれ、ロサンゼルス在住)の二人展「訪問者」を開催いたします。
ヒダカとムラタは、名前が示すように日本の血をひきながらも、英語、米語圏の文化の中で育ちました。そのまなざしは、日本を拠点としている私たちの文化や言語へのアプローチとは、ある一定の距離を持った訪問者のものであり、またそれ故に、私たちのまなざしをも彼ら固有の世界への訪問者へと変えるものでもあります。ここでは、タイトルである「訪問者」の視点とともに、二人のナラティブが作り上げる世界を散策し、絵画やCG画像、映像などの中で反響するハイブリッドなリアリティについて考察してみましょう。
 
クリスチャン・ヒダカは、絵画を通じて、劇場や建築、西洋の絵画史への参照を特徴とした制作を続けています。特に、ルネサンスの思想や芸術への強い憧憬は、遠近法や幾何学的な空間記述といった科学的な技術への着目だけでなく、異教や魔術といった古代思想との関連も探求のテーマとなっています。近年は、絵画と劇場の類似性をだまし絵のような入れ子式の構造へと発展させ、古今東西の様々な要素が共存する奇妙な宇宙を描き出しています。本展では、空間をシンメトリーに等分し、ピカソのアルルカン、フラアンジェリコのディテール、スカルパのフレーム、カービーのダイアグラムなどが反復する時空を超えた不思議な散策を、並行する戯曲のように提案します。
 
一方、タケシ・ムラタは、主にデジタル・メディアを用いて、映像作品や立体作品などで独自のリアリズムを追求してきました。ムラタにとって、現実とは流動的なもので、分解、溶解、消滅、オーバーラップといったCGI技術の「ディゾルヴ」に似たものであるといいます。初期のアニメーションであるゾートロープや、オンラインで手に入るDIYのチュートリアルなどから作られたCG画像などは、人工的なモノたちは古典的なモチーフをまといながらささやかな倦怠感を醸し出しています。ムラタは、本展に際し、最新の技術であるWeb3.0やNFTによってもたらされるメタ世界への興味から、バスケット・ボールをする「ラリー」という犬の映像作品を制作しました。液体シミュレーターでレンダリングされたラリーは、彫刻のように見えますが、メタ世界にしか存在しない、ヴァーチャルなムラタの自画像でもあります。
 
ヒダカとムラタの生み出すそれぞれの世界は、ともにハイブリッドな技術を用いながら、私たちがアートの中に希求する虚構性を巧みに用い、現実と並行した異なる次元のリアリティへと私たちを誘うでしょう。

展覧会ブックレット

展覧会の様子を記録したブックレットをオンラインでご覧いただけます。

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展 ブックレット(PDF版)

アーティストプロフィール Artist Profile

クリスチャン・ヒダカ Christian Hidaka

1977年、野田市生まれ。現在はロンドンを拠点に活動。新しい絵画形式の探究として、自身の複雑な心象風景を、異質な時間的・空間的構造が衝突する親密な連鎖を生む論法を用いて描き出す。西洋のキアロスクーロ(明暗法)と東洋の斜投影法を組み合わせたハイブリッドな空間構造「Eurasian」を、2つの伝統文化を融合させる手法で、絵画のみならず壁画制作も合わせて展開している。
近年の個展に「Tambour Ancien」(Galerie Michel Rein、パリ、2021年)、「Set for Four Players, a Sundial and a Bear(Raphael Zarkaとの2人展)」(Fabian Lang、チューリッヒ、2021年)、「Unhooked a Star」(ルーマニア国立現代美術館、ルーマニア、2018年)。作品は、MUDAM(ルクセンブルク)、CNAP(パリ)、イスラエル美術館(エルサレム)などにも収蔵されている。

タケシ・ムラタ Takeshi Murata

1974年シカゴ生まれ。現在、LAを拠点に活動。動画ファイルの圧縮時に発生するエラーを用いて視覚的効果を与えるグリッチ・アートの先駆者として知られる。CGIをイメージ・メイキングやデジタル・アフターライフ(イメージに形や動きを与えること、死後もデジタルに生き続けること)のメディテーションの過程ととらえ、アニメーション、映像、CGIからNFTまで様々なデジタル・メディアや技法を駆使しながら、独自のリアリズムを追求する。
近年の主な個展に、「Living Room」(山本現代、東京、2017)、「Infinite Doors」(The Empty Gallery、香港、2017)、「Takeshi Murata」(Halsey McKay Gallery、NY/スタヴァンゲル美術館、ノルウェー、2015)など。サンフランシスコ近代美術館(SFMoMA)、DESTE Foundation for Contemporary Art(アテネ)、マイアミ現代美術館、ハーシュホーン美術館の彫刻庭園(ワシントンD.C.)、スミソニアン・アメリカ美術館(ワシントンD.C.)などに作品が所蔵されている。

基本情報 Information

会期:2022年10月21日(金)~2023年1月31日(火)
臨時休館:11月28日(月)、12月8日(木)、12月30日(金)~2023年1月2日(月)
開館時間:11:00–19:00(入場は18:30まで)
※12月29日(木)11:00-18:00(入場は17:30まで)
※開館日時は予告なしに変更の可能性がございます。随時こちらでお知らせ致します。
入場料: 無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
(中央区銀座5-4-1 TEL 03-3569-3300)
主催: エルメス財団

フォトクレジット:
©Nacása & Partners Inc./ Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

 

ギャラリーツアー開催のお知らせ

展覧会の背景やそれぞれの作品について、フォーラム担当者が解説いたします。
どなたさまもお気軽にご参加ください。

【日時】
2022年11月29日(火)15:00~/18:00~
2022年12月14日(水)15:00~/19:00~
2023年1月14日(土)13:00~/16:00~
(各45分 日本語のみ)

【集合場所】銀座メゾンエルメス フォーラム(8階)
※予約不要。

※開始5分前までに、8階の会場スタッフにツアーご参加の旨お知らせください。

 

ご来場に際してのお願い・ご案内

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、下記の対応を伴う開館とさせて頂きます。
皆様にはご不便おかけしますが、ご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。
◆銀座店内混雑緩和のため、ソニー通り側のエレベーターからご案内いたします。
※当面の間、フォーラムへの入退場に店舗内のエレベーターをご使用頂くことができませんのでご注意ください。
◆密集防止の為、混雑時は一時入場をお待ち頂くことがございます。
マスクの着用がないお客様は、ご入場をお断りさせていただきます。
◆ご来場前の事前検温にご協力お願い申し上げます。37.5℃以上の熱のあるお客様は、ご来場をご遠慮ください。
◆手指消毒へのご協力をお願い申し上げます。
◆お客様同士で、一定の距離を保ってご観賞下さい。
◆定期的にスタッフによる清掃作業をいたします。
◆お客様及びスタッフ内での感染予防の為、マスク着用でのご案内をいたします。

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