「すべては流れである」郡裕美展 | エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Forum

「すべては流れである」郡裕美展
Panta rhei by Yumi Kori

2003.3.1(土)~6.30(月)

建築家である郡裕美の行なうインスタレーションは、空間の見え方を変成させるものであるといえます。建築が成立する要素として、人と人、人と社会、内部と外部など、建築論とは違う次元でのさまざまな関係性の整理こそが重要と考える郡は、その時その場面での関係性によって生まれる空間の空気の流れを一貫して追っています。郡の建築作品とインスタレーションには、共通して「流れ」という概念が通底していますが、この概念はインスタレーションという機能から自由になった空間表現となったとき、より純化された空間として現われます。、私たちは実際に中に入り体験することにより、その空間に新しい意味を見出すことになります。
郡が捉える「流れ」とは、「永遠の時間」という言葉にも置きかえられます。永遠とは日常の流れの連なり、つまりは一瞬、一瞬の連続であり、一滴の水が大海になるように、全体とは部分の集合であることを、郡は空間の中にかたちとして出現させようと試みるのです。
本展覧会では、古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの言葉「panta rhei(万物は流転す)」をキーワードに、人の流れという建物と外界の物理的なつながり、一針、一針が歴史をつくっていく時間とのつながり、また世の中との交流を、水の流れという形で表現します。本展覧会においてはメゾンエルメスそのものが大海の流れであり、その大海は、フォーラムの上方より一滴ずつ降り続いてくる水のしずくより広がっていきます。ここではもはや機能としての建築空間は失われ、既存の構造がまったく新しい意味をもって再構築され、眼前に迫ってくることでしょう。そしてそのとき対峙する世界は、分け隔てるのではなく、「結びつける」海であるに違いありません。

アーティストメッセージ

そこに柱がある。
床が、天井が、ガラスブロックがある。

ガラスブロックに喧騒が滲む。
砂の粒子に静寂が映る。
白い水面に意識が溶ける。
波紋が刻んだ時間が止まる。
泡沫(うたかた)は流光の滴(しずく)となり、瞬間(ひととき)の永遠が訪れる。

光が、影が、時の流れがある。
そこに空間がある。

郡裕美
2003年3月​

アーティストプロフィール Artist Profile

郡裕美 Yumi Kori

1960年名古屋市生まれ。1983年京都府立大学生活科学部住居学科卒業後、1986年より建築設計活動を始める。1991年スタジオ宙設立、1994年コロンビア大学建築学部修士課程卒業。以降建築設計活動の一環として、「空間の関係性」そのものに焦点をあてて空間を再構築し、そこに新しい意味を見出すインスタレーションを、ベルリン、ニューヨーク、東京にて行なう。1996年よりコロンビア大学准教授、2003年よりイエール大学講師。
主な受賞に1998年住宅建築賞(東京建築士会)、1999年東京建築賞(東京建築士事務所協会)、2001年千葉県建築文化賞(千葉県)、また2001年と2003年にar+dデザイン賞(イギリスArchitectural Review)。2001年のar+dデザイン賞は、ベルリンで行なったインスタレーション作品「Defragmentation/red」に贈られた。

 

開館時間 Opening Hours

月~土 11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日   11:00~19:00(最終入場は18:30まで)

基本情報 Information

会期
2003年3月1日(土)~6月30日(月)
休館日: エルメス銀座店の営業日に準ずる
入場料:無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5‐4‐1 8階 TEL: 03-3569-3300)
サウンド・インスタレーション: ベルナルド・ガル