GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

短編アニメーション セレクション
Short Animation Selection

ドローイング - 描く -:まっすぐな線、まがった線、点
2025.12.18(木)~ 12.28(日)

(c) Sacrebleu Productions

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2025年のテーマは「ドローイング - 描く -」。

12月のル・ステュディオでは、短いアニメーション作品をオムニバス形式でお届けします。
フランス初のアニメーション作品であるエミール・コールによる「Fantasmagorie」(1908)から、昨年発表されたばかりの作品まで、百年を超えるアニメーションの歴史を駆け抜けるプログラムです。
「まっすぐな線、まがった線、点」が浮かび上がらせる世界を、ぜひご覧ください。

 

『短編アニメーション セレクション』
Short Animation Selection

*7作品連続上映 (約61分)

1. 『操り人形の悲劇』/Drame chez les fantoches
監督:エミール・コール
1908年/フランス/3分

2. 『レイジング・ブルース』Raging Blues
監督:ヴァンサン・パロノー(ヴィンシュルス)
2004年/フランス/6分

3. 『そして熊が』/L'Heure de l'ours
監督:アニエス・パトロン
2019年/フランス/14分

4. 『日曜の昼食』/Le Repas dominical
監督:セリーヌ・ドゥヴォー
2015年/フランス/14分

5. 『芋虫を飲み込んだ』/J'ai avalé une chenille
監督:バジール・カティール
2024年/フランス/10分

6. 『神秘の神秘』/Le Mystère des mystères
監督:エレオノール・ガイスラー
2024年/フランス/12分

7. 『ファンタスマゴリー』/Fantasmagorie
監督:エミール・コール
1908年/フランス/2分

ブルーレイ上映

 

作品について ABOUT FILM

 線 —— それが今回の短編アニメーション特集を貫くテーマである。このプログラムの最初と最後を飾るのは、一九〇八年に制作されたアニメーション史上最初期の作品『ファンタスマゴリー』と『操り人形の悲劇』。これらの作品に見られる単純な線の世界から、アニメーションは少しずつ姿を変え、複雑さを増してきた。鉛筆やペン、さらにはデジタルツールを組み合わせながら、色彩も形態も豊かになった。実写の制約に縛られないがゆえに、現実よりも軽やかに、あるいは重々しく、けれどいつも独自のまなざしで、アニメーションは世界をたゆまず探求してきた。

エミール・コールが、ペンを走らせる自らの手を撮影したとき、まったく新しい映画の形が誕生した。わずか数本の線から、子どもの落書きのような人物が生まれた。観客を驚かせ楽しませようとするコールの姿勢とは対照的に、後の作家たちは線をとおして社会的なテーマに正面から向き合うようになる。

たとえば『レイジング・ブルース』。マーティン・スコセッシの『レイジング・ブル』にオマージュを捧げるこの作品は、一九三〇年代のアメリカ大恐慌を描きだす。モノクロに近い色調と幾何学的な造形が、産業の機械化を暗示する。アニメーションだからこそ、暗い歴史から一定の距離をとりつつ、その本質を鋭く示すことができるのだ。

『そして熊が』では、子どもの心の奥底にひそむ恐怖が、夢の断片のように浮かび上がる。帽子の輪郭、髪の束、一対の目。それだけで「人物」が息づきはじめる。黒い闇のなかで弾ける色彩が、夜の闇と恐怖を鮮烈に表現する。

『日曜の昼食』が描きだすのは、日曜日の倦怠に閉じ込められた家族の姿だ。このプログラムではこの作品ではじめて「声」が登場する。俳優ヴァンサン・マケーニュのかすれ声が、今にも破裂しそうな緊張感をはらんだまま、家族への毒を含んだ独白を紡ぐ。線はより饒舌になり、歪んだ顔や身体のフォルムが、家族関係の歪みをそのまま映しだす。

辛辣なユーモアのあとに続くのは、『毛虫を飲みこんだ』の繊細でやわらかな世界だ。愚かな事故によって昏睡状態に陥った少年の悲劇が、子どもの絵のような素朴な線で描かれ、少年の「止められた時間」を映しとる。

次に登場する『神秘の神秘』は、他の作品とは一線を画し、動物の表象史を多様なスタイルと映像の奔流によって描いていく。デジタル技術によって写実と抽象が共存し、アール・デコの幾何学的な建築に生命のざわめきが侵入する。哲学的な思索や歴史的な視点を交えながら、人間と動物の関係が改めて問いなおされる。

二〇世紀初頭から現代の作品にいたるまで、これほど多様な線とまなざしが生まれてきたにもかかわらず、その多様性を超えて存在しつづけるものがある。どの作品にも等しく存在するもの、それは人間であり、その姿と心である。
 
アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)

 

会場 Access

銀座メゾンエルメス ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)

 

上映スケジュール Schedule

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。

 

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2025年9月以降の予約受付の変更について

日ごろより、銀座メゾンエルメスに足を運んでくださり、誠にありがとうございます。
ル・ステュディオは、開館以来、多くのかたに好評いただいており、20年以上にわたって皆様に支えられ、たくさんの作品をお届けしてまいりました。
弊館は席数も上映回数も限りがあり、ひとりでも多くのかたに見に来ていただくために、この度、予約の承り方を変更させていただくことになりました。

これまで、お客様には、1プログラム(1か月)に1回のご予約を承ってまいりましたが、今年の9月以降は【2プログラム(2か月)に1回のご予約】とさせていただきます。

・9月、10月で1回のご予約
・11月、12月で1回のご予約

毎月の上映回数は変更ございません。
より多くのかたがたに喜びと発見のある時間を過ごしていただけるよう、これからも活動してまいります。
ご理解いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

お知らせ

2026年のル・ステュディオは、4月以降開始予定です。
詳細は随時、本サイトにてお知らせいたします。
引き続き、皆様にお楽しみいただけるプログラムを目指して参りますので、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

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