「時の庭」| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Window Display

「時の庭」
Jardin du Temps (Garden of Time)

2012.11.14(水)~2013.1.22(火)
さまざまな“時”の層に触れてきた2012年、最後のウィンドウディスプレイでは、植物の生長の過程を身近に感じるオブジェを介して「植物の時間」をメゾンエルメス全体で表現します。


「植物の時間」の造成装置となるのはパルダリウムと呼ばれる小さな温室です。19世紀のイギリスで発明され、その後パリ万博にも出展されたことのあるパルダリウムは、当時、エキゾチックな文化に憧れる貴族の間で人気を博しました。ガラス張りの箱のなかに、植民地から運ばれてくる植物を入れ、その生育のサイクルを家のなかで鑑賞しつつ、まだ見ぬ異国に思いを馳せたといいます。貴重な植物が入っているパルダリウムが、やがて個性的な装飾を施されて室内家具のようになっていったことも必然の流れと言えるでしょう。今回、「“時”の恵み」を得て、パルダリウムを過去の資料をもとに再現し、そのなかで生々しく育っていく植物を通じて、時の流れを表現します。

右側のウィンドウには、水の循環システムを兼ね備えた現代のパルダリウムが入っています。そのなかでは世界各地から集めた色鮮やかなランや、剥き出しの根が個性的な植物や球根、珍しい原種から品種改良を繰り返し生まれたハイブリッドな花々まで、数十種類以上の植物を栽培しています。左側のウィンドウの棚には、いくつものガラス製のミニパルダリウムが収められています。色とりどりのエルメスの製品が標本のように並べられている傍ら、珍しい植物の保管や苗の育成が行われているようすは、さながら実験室といえるでしょう。さらに館内に入ると、1階に観賞用のパルダリウムが設置され、別のフロアにはさまざまな形状のミニパルダリウムが展開。間近で植物の細部を楽しむことができるのです。

ガラス越しのパルダリウムに流れる水滴は植物の呼吸の証です。植物たちの刻む生の時間を感じる傍ら、植物を大切に育てることで異国への憧れを募らせていた人々の日々も想像してみてください。

アーティストプロフィール Artist Profile

東信 Makoto Azuma​

1976年福岡県生まれ。2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。また、フラワーアーティストとして国内外で精力的な活動を展開。2005年からニューヨーク、パリ、ドイツなど海外を中心に個展を開催。2009年より、植物の可能性をさらに追求する実験的植物集団「東信、花樹研究所」を立ち上げ、植物をキーワードに様々な分野で幅広く活動している。
フォトクレジット:© Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon