『エクス・マキナ』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『エクス・マキナ』
Ex Machina

オブジェに宿るもの:人工知能
2017.12.2(土)~12.24(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2017年は「オブジェに宿るもの」をテーマにお届けいたします。
12月は、人工知能と人間の心理戦を描いたSFスリラー『エクス・マキナ』を上映いたします。

 

『エクス・マキナ』 Ex Machina

2014年/イギリス/108分/ブルーレイ

監督・脚本:アレックス・ガーランド
撮影監督:ロブ・ハーディ
編集:マーク・デイ
美術監督:マーク・ディグビー
衣装デザイン:サミー・シェルドン・ディファー
視覚効果監修:アンドリュー・ホワイトハースト
音楽:ベン・ソールズベリー、ジェフ・バーロウ
出演:アリシア・ヴィキャンデル、ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザック、ソノヤ・ミズノ
フォトクレジット:© 2014 Universal City Studios Productions LLLP. All Rights Reserved.
世界トップシェアを誇る検索エンジンを開発したIT企業「ブルーブック」。プログラマーとして働く24歳のケイレブは、ある社内公募に当選。圧倒的な技術力とアイディアで巨万の富を築きながらも、めったに人前には姿を現さない謎めいた社長・ネイサンが所有する山間の別荘に一週間滞在するというチャンスを得る。ペリコプターで数時間、人里離れたその地に到着したケイレブを待ち受けていたのは、人工知能を搭載した美しい女性型アンドロイド「エヴァ」だった。大自然に囲まれ、都市から隔絶された辺境でケイレブは、このアンドロイドに「感情」が芽生えているかを判断するという不可思議な実験に従事することになる。エヴァの謎めいた美しさと知性に惹かれていくケイレブに、彼女は「ネイサンの言うことを一切信じないで」と告げるが……。
閉ざされた別荘という密室で繰り広げられる人工知能と人間の心理戦。張り詰めた緊張感のなかで、それぞれの思惑が交錯する。自らがつくりだしたものの前で、人間はどのような選択を迫られるのか? スタイリッシュなヴィジュアルと世界観が光る、第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞作。
 

作品について About Film

映画の誕生以来、あまたの主人公たちが自分を神になぞらえてきた。その種の映画には長い歴史があり、『エクス・マキナ』もその伝統につらなる。彼らは現代の造物主さながら、怪物やロボットに命を吹きこみ、知性をあたえてきた。だが、怪物やロボットはいつか人間に歯向かうかもしれなかった。事実、フランケンシュタイン博士が作りだしたモンスターや『2001年宇宙の旅』の人工知能Halをはじめ、その多くが人間に反旗をひるがえした。

近未来的な世界観で表現されがちなこのテーマを、アレックス・ガーランドは、鉱物と植物にあふれる自然環境と、滑らかで控えめなテクノロジーによって描きだした。壮大な山岳地帯の奥深くに、謎めいた住居/実験施設が隠されている。ミニマルといってよいほどシンプルなその建物は、ノルウェーで実際に使われているランドスケープホテルである。

本作の脚本も手がけたガーランドは、人類の未来という哲学的なテーマに、小説や映画でおなじみのロマンティックな三角関係を重ねあわせた。

3人の登場人物のうち、誰が他のふたりを操っているのか。三者三様の身体が、閉じられた空間内で対峙する。プログラマーの青年が、都会からスーツを着てやってくる。青年を出迎えるCEOは、大自然のなかで暮らし、マッチョな肉体を誇示する。男たちはひとりの「女性」をめぐって争う。エヴァと呼ばれるその女性は、金属とプレキシグラスの骨格をもった蠱惑的なロボットである。人間そっくりの外見と意識を備えた史上初めてのロボットとして、エヴァはアンドロイドの「イヴ」にもなれるだろう。服を着ていても、輝く透明な裸体を見せていても、彼女はおどろくほど官能的であり、その姿は、私たちと彼女のあいだにもうわずかな違いしかないことをまざまざと感じさせる。エヴァに誘惑された男が腕を切るのも、絶望的な状況に終止符を打つためではなく、じぶんの体のなかにダイオードや電線が埋めこまれていないかを確かめたかったからに他ならない。

1968年、SF作家のフィリップ・K・ディックが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を世に問うた。後に『ブレードランナー』として映画化されたこの小説のタイトルがすでに、未来のAIの課題を端的に表していた。半世紀後、エヴァは夢を見たのだろうか。人間を愛せたのだろうか。その答えは分からないが、確かなことがひとつある。『エクス・マキナ』を見終えたとき、観客の誰もがきっと思うことだ。私たちはもうSFの世界に生きているのである。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
12月2日(土)、12月3日(日)、12月9日(土)、12月10日(日)、12月16日(土)、12月17日(日)、12月23日(土・祝)、12月24日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。