『イージー★ライダー』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『イージー★ライダー』
Easy Rider by Dennis Hopper

フラヌール - いつでも、そぞろ歩き:ザ・ロードムービー
2015.5.2(土)~5.31(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2015年は『フラヌール - いつでも、そぞろ歩き。』をテーマにお届けいたします。
5月は、デニス・ホッパー監督による究極のロードムービー『イージー★ライダー』です。

 

『イージー★ライダー』Easy Rider by Dennis Hopper

1969年/アメリカ/94分/カラー/35mm​

監督: デニス・ホッパー
脚本: ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、テリー・サザーン
製作: ピーター・フォンダ
撮影: ラズロ・コヴァックス
音楽: ステッペンウルフ、ジミ・ヘンドリックス、ザ・バーズ他
出演: ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、カレン・ブラック
字幕: 太田国夫
配給: Park Circus
フォトクレジット:© Park Circus / Sony Pictures
1960年代に誕生した、アメリカン・ニューシネマ。当時のアメリカでは大手スタジオの相次ぐ倒産やテレビの影響により、無名の俳優や監督を起用した低予算の映画制作が盛んとなったが、本作はその代表作といえる。
裏社会で大金を手にしたふたりはハーレーにまたがり、ニューオリンズを目指す。ヒッチハイクで拾ったヒッピーとともに彼のコミューンに立ち寄ったり、謝肉祭のパレードに無許可で参加したことで留置所に入れられたり……。珍道中の末、最後には驚きの展開が待ち受ける。
星条旗、ヒッピー、ロック等60年代アメリカのアイコニックなカルチャーや、本作を象徴する楽曲、ステッペンウルフの「Born To Be Wild」を背景に、ふたりの若者が自由を求めて駆け抜ける、究極のロード★ムービー。
 

作品について About Film

『大人は判ってくれない』と『勝手にしやがれ』がフランス映画を変えたように、『イージー★ライダー』を境にアメリカ映画は大きくその姿を変えた。抵抗する若者たちを描き、伝統的な演出やモンタージュの技法と決別した『イージー★ライダー』は、低予算ながら予想をはるかに超える大ヒットを記録した。それはまさに時代の産物だった。映画と、大衆と、アメリカ史のひとつの時期が、奇跡のように出会ったのだ。

『イージー★ライダー』は、新しい時代の到来を宣言し、カウンターカルチャーのシンボルとなった。しかし同時にこの作品は、ハリウッドで作られてきた西部劇の伝統に連なるものだった。主人公のふたりは、西部開拓時代の神話的人物ワイアット・アープとビリー・ザ・キッドと同じ名前をもつ。ふたりはかれらと同じように世間を遠くはなれ、ジョン・フォードが不朽のものとした広大な風景のなかを孤独にさすらう。現代に甦ったカウボーイは鉄の馬にまたがり、誇らかに星条旗をかかげる。しかし、ここにはもう未開の地もなければ開拓者もいない。ワイアットとビリーにできることは、社会の束縛をすべて断ち切り、自由を謳歌することだけなのだ。

『イージー★ライダー』を今見なおして感じるのは、画面のなかを猛スピードで流れていく自然の壮大さであり、どこまでもつづく舗装路をバイクで走りぬける陶酔感である。ロックギターをBGMに、かれらのバイクはダンスを踊るように疾駆する。デニス・ホッパーは、ロードムービーを発明したわけではない。スピード、エンジン、オプティミズムを加えることで、ロードムービーの新しい形をつくりだしたのだ。かれらの気ままな逃走は、1991年の『テルマ&ルイーズ』を初めとして多くの映画に引き継がれた(『テルマ&ルイーズ』はさらに、スリラー、ラブロマンス、コメディの要素をロードムービーに取り入れた)。

一見したところ、この映画は1960年代の理想主義を賛美しているようにみえる。だが、その理想はやがて幻滅に終わることがはっきりと示される。旅に出てすぐ、ワイアットが、土地に縛られながらも自由に生きる農民をうらやむ場面がなかったか。旅の途中、街が近づくとともに光が弱まり、ワイアットとビリーは現実に連れ戻される。夢の向こう側から現実世界の暴力があらわれ、幻想の終わりを告げるのだ。

『イージー★ライダー』は、ベトナム戦争と同時代に作られた。その画面には、多くの命が奪われた重苦しい時代のアメリカが表現されている。やがて、レーガンの登場とともにアメリカは新たな時代を迎える。そして映画もまた別の時代を迎えることになる。これ以降、ハッピーエンドに終わる超大作でなければ大ヒットは望めなくなるのである。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
5月2日(土)、5月3日(日)、5月4日(月・祝)、5月5日(火・祝)、5月6日(水・祝)、5月9日(土)、5月10日(日)、5月16日(土)、5月17日(日)、5月23日(土)、5月24日(日)、5月30日(土)、5月31日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。