『ピナ・バウシュ 夢の教室』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『ピナ・バウシュ 夢の教室』
Dancing Dreams

メタモルフォーズ―変身:ステージからの贈りもの
2014.5.3(土)~5.31(土)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。
2014年は『メタモルフォーズ―変身』をテーマに、さまざまな角度から映画をお届けします。
5月は世界的な舞踏家、ピナ・バウシュの生前最後の映像を収めた『ピナ・バウシュ 夢の教室』をご紹介します。

 

『ピナ・バウシュ 夢の教室』Dancing Dreams

2010年/ドイツ/89分/カラー/HD 原題: Tanz Träume​

監督:アンネ・リンゼル
撮影監督:ライナー・ホフマン
プロデューサー:ゲアト・ハーグ、アンネ・リンゼル
音楽:ウーヴェ・ドレッシュ、トーマス・ケラー、トビアス・リンゼル、ポール・オベルレ、ティム・ドーンケ
編集:マイク・シュレマー
出演:ピナ・バウシュ、ベネディクト・ビリエ、ジョセフィン=アン・エンディコット
字幕:戸田史子
配給:トランスフォーマー
フォトクレジット:©TAG/TRAUM 2010
世界的な舞踏家、ピナ・バウシュのもとに、ダンスも演劇も経験のない40人のティーンエイジャーが集まった。「男女の愛」をテーマにしたピナの代表的演目「コンタクトホーフ」を演じるため、10ヶ月間の無謀とも言える猛特訓が始まる……。
志望の動機も様々な少年・少女たち。「できない」「意味がわからない」と、最初はダンスに二の足を踏んでいた彼らも、ピナやコーチたちの指導を受けながら稽古に励み、他者の肌に触れ合い、感情をさらけ出す濃密な時間の中で、動作にキレが生まれ、表情が輝き出し、また彼ら自身も自らの変化に気づき始めてゆく。
本作は、2009年に急逝したピナ・バウシュの、生前最後の映像を収めた貴重なドキュメンタリーである。若者たちが「変身」を遂げる瞬間の力強さは、命の希望に満ちている。
 

作品について About Film

夜会服を身にまとった若者たちの一団が、腰を揺すり、笑いさざめき、歯をむきだし、顔をなであう。
ありきたりの動作が、ここでは異様なものに映る。それは、ひとつひとつの動作を意味づけるコンテクストがないからである。しかし若者たちはその動作を、成熟した大人や舞台慣れしたプロのように自信をもって行う。1年前まではまだ思春期のぎこちなさを残し、踊りも演技もまったく経験がなく戸惑っていたというのに。
14歳から18歳までのこの少年少女たちは、だれもが初心者である。役者は登場人物を演じることで別人になるというが、この若者たちの場合は必ずしもそれだけではない。かれらがみごとに変身をとげたのは、ピナ・バウシュの世界に入りこんだからである。ピナ・バウシュは、ドイツ表現主義の流れをくんで1970年代から「Tanz theater(タンツテアター/ダンス演劇)」とよばれる世界をつくってきた。クラシックバレエのように、だれもがダンサー体型で、厳格な約束事に則ってつくられる舞台とは逆に、身体能力も、からだつきも、肌の色もちがう人びとを舞台にのせて、男と女の出会いや関わりをテーマに、踊り手ひとりひとりのからだの表現性を探求してきたのである。

『コンタクトホーフ』のジュニアバージョンともいうべき今回の舞台は、殺風景で謎めいた舞台セットをオリジナルのまま再現している。この大広間かダンスホールには、見通しのない窓があり、舞台奥にはカーテンが下がっている。カーテンの向こうには、おそらくもうひとつ別の舞台があるのだろう。若者たちにとってこの場所は、自分のこころとからだ、他人の視線を学ぶための学校となる。
からだの動かしかた、表現のしかた、態度を訓練することによって、かれらは他人との繋がりや愛情をもとめる気持ちを表現できるようになり、荒々しさから優しさにいたる様々な感情を表わせるようになった。抑圧をとりはらうことで、自分のからだを思うがままに自信をもって動かせるようにもなった。かれらは自分たちがたどった道のりをはっきりと意識している。その道のりをふり返り、自分たちを導いてくれたピナ・バウシュのことを語るとき、かれらの目は幸せそうに輝くのである。

映画は、新米ダンサーの練習の日々と本番のパフォーマンスを記録するだけでなく、1978年に発表されたピナ・バウシュの代表作にも賛辞をささげる。さらに、振付家のピナ・バウシュと指導役をつとめたベネディクトとジョーの「導き手」としての才能にも敬意をしめす。3人の導きによって、若者たちは本当の自分をみいだし、体験をもとにおのれを知り、おのれを超える術を学んだ。そしておそらく、子供から大人になるこの難しい時期を生きるための力を、彼女たちから得たのではないだろうか。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
5月3日(土・祝)、5月4日(日・祝)、5月5日(月・祝)、5月6日(火・祝)、5月10日(土)、5月11日(日)、5月17日(土)、5月18日(日)、5月24日(土)、5月25日(日)、5月31日(土)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。