『ベルヴィル・ランデブー』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『ベルヴィル・ランデブー』
Les Triplettes de Belleville

スポーツは素敵!:遥か彼方へ
2013.5.3(金・祝)~5.26(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。

 

『ベルヴィル・ランデブー』Les Triplettes de Belleville

2002年/フランス=カナダ=ベルギー/80分/カラー/35mm

監督・脚本・絵コンテ・グラフィックデザイン:シルヴァン・ショメ 
音楽:ブノワ・シャレスト 
美術:エフゲ二・トモフ
アニメーションスーパーバイザー:ジャン=クリストフ・リー 
3Dアニメーション監督・特殊効果・コンポジットデザイン:ピーター・ヴァン・ホーテ
エンドクレジット:M 
字幕:加藤リツ子 
配給:クロックワークス
フォトクレジット:© 2002 Les Armateurs / Production Champion / Vivi Film / France 3 Cinéma / RGP France / Sylvain Chomet
戦後間もないフランス。内気で友達もできない孫のシャンピオンを不憫に思ったおばあちゃんは、ある日、彼が自転車に興味を持っていることを知る。 
プレゼントの自転車で来る日も来る日も厳しいトレーニングを積む彼を叱咤激励し、やがてツール・ド・フランスに参加するまでに育て上げる。
しかし、レースの最中にシャンピオンが謎のマフィアに誘拐されてしまう……。 
最愛の孫を救うため、海を越えて摩天楼そびえ立つ巨大都市“ベルヴィル”に辿り着いたおばあちゃんと愛犬・ブルーノ、そして偶然出会った陽気な三つ子の老婆達による不思議な大冒険。
 

作品について About Film

フランス人は自転車をこよなく愛し、毎年行われるツール・ド・フランスに熱狂する。『ベルヴィル・ランデブー』はオマージュとカリカチュアの狭間で、ペダルを制する王者たちの奮闘ぶりと、この有名なレースにまつわる神話をいきいきと描き出す。沿道を埋め尽くし声援を送る観客。ステージの優勝者や、疲れきって「ほうき車」に回収される選手たち。そして、この作品の真の主人公であるコーチの存在も忘れてはならない。というのも、この映画における本当のスポーツマンは、「シャンピオン(=チャンピオン)」というちっともふさわしくない名を与えられた少年ではなく、少年の祖母だからだ。口ひげを生やし、金魚のような目をしたよぼよぼの老婆。疲れを知らぬ頑固者で、ペダルをこいで海さえ渡ってしまうこのおばあちゃんは、可愛い孫を勝たせるためにめざましい活躍をする。

フランスの長編アニメ映画は長らく周辺的な存在だったが、20年ほど前から次第に脚光を浴び、広く公開されるようになった。監督の多くはシルヴァン・ショメ同様、バンド・デシネの出身で、単なる子ども向けではない独自のスタイルをスクリーン上で展開する。ミッシェル・オスロからマルジャン・サトラピまで、こうした監督たちの作品は古の伝説を思い出させ、現代世界に疑問を投げかけ、波瀾万丈の冒険を語る。その語り口はシリアスだったりユーモラスだったり、はたまた詩的だったり。何にも縛られることなく、きわめて個性的でしばしば極端なまでに突き詰められた描画スタイルを用いて、監督たちは自身の創造性を発揮する。

シルヴァン・ショメは、ミュージックホールや無声映画、白黒テレビを惜しむかのように、愛情を込めて過去を見つめる。ここで私たちは、ジャン=ピエール・ジュネ監督の『デリカテッセン』もしくは『アメリ』を思い起こすかもしれない。この2作品の主人公はいずれもバンド・デシネの世界から抜け出たかのようであり、郊外の同じようなおんぼろアパートに住み、思い出の詰まった古めかしい品々に囲まれている。戦後のフランス――まだ経済発展には遠く、日曜大工やありあわせのものを工夫して生活するしかなかった時代。このフランスはジャック・タチが描いたフランスでもある。タチは本作でもふんだんに引用されているが、タチの脚本をショメは次の『イリュージョニスト』にて作品化することになる。デジタル描画の鮮明さ、滑らかで完璧な描線は、過ぎ去った世界を映像化するのにふさわしいとはいえないだろう。監督はむしろ不規則な線を、より人間味があって自由な、制作者の息づかいを感じさせるような線を好む。デジタル描画ソフトという貴重な手段は利用しつつも、過ぎ去った時代をよりよく伝えるかのように、その描線に職人的な味わいを加えるのである。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
5月3日(金・祝)、5月4日(土)、5月5日(日)、5月6日(月・祝)、5月11日(土)、5月12日(日)、5月18日(土)、5月19日(日)、5月25日(土)、5月26日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。