『ムハメッド・アリ ザ・グレイテスト』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『ムハメッド・アリ ザ・グレイテスト』
Muhammad Ali, the Greatest

スポーツは素敵!:チャンピオンの名のもとに
2013.4.6(土)~4.28(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。

 

『ムハメッド・アリ ザ・グレイテスト』Muhammad Ali, the Greatest

1974年/フランス/120分/モノクロ、カラー/35mm​

監督:ウィリアム・クライン
音楽:ミッキー・ベイカー
撮影:エチエンヌ・ベッケル、ウィリアム・クライン、リシャール・スズキ、パトリス・ビエルス
編集:フランシーヌ・グリュベール、エヴァ・ゾラ
出演:モハメド・アリ、ソニー・リストン、アンジェロ・ダンディ、マルコム・X、フロイド・パターソン、ジェイムズ・J・ブラドック、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレイジャー、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター
字幕:松岡葉子
配給:Arte France
フォトクレジット:© Films Paris New-York - Delpire Alvico
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」。ムハメッド・アリにとって、戦うことは「踊る」ことだった。本作には、1964年のチャンピオン誕生の瞬間(ソニー・リストン戦)から、74年の「キンシャサの奇跡」までの10年間、アリの栄光と挫折の日々の軌跡が収められている。相手に執拗にまくし立てるアリの姿――その暴発的で純粋なエネルギーは「世界から貧困をなくしたい」という願いへとも向かう。人々を惹きつけてやまないその姿は、怪しげな資本家の面々、緊迫した打ち合わせ、マルコム・Xの供述、さらにアリのファンたちの熱狂ぶり、当時の子供や若者たちの姿など、彼を取り巻いた「世界」のまま、スタイリッシュでラフなカット割で見事に映し出されている。この手腕こそ、映画監督であり写真家であるウィリアム・クラインの真骨頂である。
 

作品について About Film

ボクシングの世界王者であり、アフリカ系アメリカ人に対する人種差別との戦いの象徴であり、たえずメディアに登場する「超人的」人物であったムハメッド・アリは、エルヴィスやマリリン、ビートルズと並ぶ戦後のスーパースターだ。アメリカで人種差別が禁止されて間もない60年代、黒人が今のように映画やポップ・ミュージックで活躍していなかった時代に、アリは低姿勢に徹するどころか誇り高く自らのルーツを示し、「リングの王」を自称した。

大衆文化の象徴であり、善意に溢れた「白い」アメリカに挑戦状を叩きつけ、公衆の面前で自らを「演じる」ことを好んだアリ。彼がウィリアム・クラインの関心を引いたのは当然のなりゆきだった。ニューヨーク出身で後にフランスに移住したクラインは、アーティスト、写真家、映画監督として活躍し、芸術とモードの世界、そして現代の消費社会とメディアの力に対して、一貫して好奇心と批判精神に満ちた視線を注ぎ続けた。しかし、世界タイトルマッチの取材のため1964年にマイアミへ派遣された時、当時まだカシアス・クレイと呼ばれていたこのボクサーについて、クラインはほとんど何も知らなかった。クラインが興味を抱いたのは、アリのボクサーとしての技量よりもその人柄であり、彼が巻き起こす熱狂と反感であり、その社会的・政治的影響力だった。それはアメリカ社会の中心においても、1974年のザイールにおいても――ジョージ・フォアマンと対戦した有名な「キンシャサの奇跡」――同様だった。クラインはアリのカリスマ性とアドリブの才能をレンズで捉え、その自信に満ちた発言や挑発が、何にもまして戦闘態勢に入るための準備だったことを読み解くのだった。

スローガンが叫ばれフラッシュが焚かれ、そして効果音が多用されるクラインの映画には、広告、あるいはポップ・アートに対する関心と、時代の空気を切り取る非凡な才能が示されている。荒削りで粒子の粗いショット、くっきりしたモノクロのコントラスト、接写による豊かな表情。クライン独自のスタイルが写真の世界に革命を起こし、時代に大きな足跡を残したことを忘れてはならない。人物のドキュメンタリーには、称賛を並べ立てた聖人伝のような作品もあるが、クラインの流儀は違った。ただ慎重に出来事を記録する代わりに、妨げ、挑発する。ダイナミックで力強い画を撮るためならば主役の前に出ることすら厭わないのである。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
4月6日(土)、4月7日(日)、4月13日(土)、4月14日(日)、4月20日(土)、4月21日(日)、4月27日(土)、4月28日(日)、4月29日(月・祝)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。