『ファルビークの四季』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『ファルビークの四季』
Farrebique

“時”の恵み:自然と時
2012.10.6(土)~10.28(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。

 

『ファルビークの四季』Farrebique

1946年/フランス/90分/モノクロ/35mm​

監督:ジョルジュ・ルーキエ
脚本:ジョルジュ・ルーキエ、クロード・ブランシャール
音楽:アンリ・ソーゲ
出演:ファルビーク村の人々
製作:ジャック・ジラール
字幕:松岡葉子
配給:Les Documents Cinématographiques
フォトクレジット:© Les Documents Cinématographiques, Paris
巡りゆく自然、変わりゆく風景、命を繰り返す動植物。花が開き、さなぎが蝶になり、日射しを浴びた谷間が徐々に陰ってゆく。
ジョルジュ・ルーキエ監督による本作は、南仏にあるファルビーク村で暮らすある農家の一年を、彼ら自身やその隣人に演じさせたドキュメンタリー的フィクションである。時の流れと天候の変化にまかせた生活。一家の暮らしぶりが、簡素で美しい映像と詩情溢れる音楽によって、饒舌な会話に頼ることなく描き出されている。
1946年の第一回カンヌ国際映画祭では本作のために創設された国際批評家賞、その他にもヴェネツィア国際映画祭、ローマ国際映画祭などで多くの賞を獲得した。1983年に製作された後作『ビクファール Biquefarre』とともに今日もなお、スティーヴン・スピルバーグをはじめ、多くのファンの熱狂的な支持を集めている。
 

作品について About Film

南仏アヴェロン県の農場。農業を営む一家が、時の流れと季節の移り変わりのリズムに合わせて働き、暮らしている。中世から受け継がれてきたしきたりや営みは、永遠に変わらないかのように見えるが、彼らもまた現代社会に足を踏み入れようとしている。
『ファルビークの四季』はある家族の物語であり、民俗誌学的な記録であり、また自然と時間の流れに捧げられた映像の詩でもある。農場では、雑事や畑仕事の日々の中で時折、出産や葬式といった出来事が起こる。家庭内では、土地の分割を巡って、あるいは農場の拡大計画、石油ランプから電気への切り替えについて話し合う中で、世代間の意見の相違が表出してくる。
変革期にある戦後フランスの農村を描く本作は、当時の農作業の過酷さと、農民たちの厳しい暮らしを見せてくれる。それは、規則正しい時の流れとその変化に沿って――一言で言えば、時間と天候という二つの意味を持つ「temps」に合わせて――組み立てられた生活だった。このような暮らしぶりが、簡素で美しい映像と詩情溢れる音楽によって、饒舌な会話に頼ることなく描き出されている。
『ファルビークの四季』は一年という時を通じて、巡りゆく自然、変わりゆく風景、動植物の再生を追い、それを祝福する映画である。映画は過ぎゆく季節、日々、時間のリズムに寄り添いながら、花が開き、さなぎが蝶になり、日射しを浴びた谷間が徐々に陰ってゆく様子などを、早回しの映像で見つめる。その時、映画は普遍的な生への賛歌となる。ルーキエは私たちにこう語りかけているようだ――生きとし生けるものの中で人間だけが、時の経過を感じ取ることができるゆえに、生きているという実感を持つのだ、と。人間は自然の掟を前に謙虚でありながら、同時にその自然と戦いもする。
当時、ドキュメンタリーとフィクションの融合は極めて新しい試みであり、『ファルビークの四季』は結果として数々の賞を獲得した。それから40年近く経って、ジョルジュ・ルーキエは再び、同じ土地、同じ家族の姿を、工業化した農場を舞台に映像に収めた『ビクファール Biquefarre』(1983年)を制作した。ルーキエはこうして、映画史上類を見ない素晴らしい二部作を生み出したのである。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
10月6日(土)、10月7日(日)、10月8日(月・祝)、10月13日(土)、10月14日(日)、10月20日(土)、10月21日(日)、10月27日(土)、10月28日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。