『魔法の時計の物語』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『魔法の時計の物語』
Les contes de l’horloge magique

“時”の恵み:ファンタジーへの旅
2012.8.4(土)~8.26(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。

 

『魔法の時計の物語』Les contes de l’horloge magique

1924-1928年/イタリア・フランス/61分/カラー/35mm​
音楽、解説は1983年に追加


監督・脚本:ラディスラス・スタレヴィッチ
着色及び幕間アニメーション監督:ジャン・リュバック
音楽:ジャン=マリ・セニア
出演:ニナ・スター
字幕:松岡 葉子
特別協力:マルタン・スタレヴィッチ夫人
フォトクレジット:© Collection Martin Starewitch
祖父の時計工房で、お姫様になった自分を夢見ている二ナ。時計が十二時を告げると、少女は祖父の作った魔法の時計の王国へ迷い込む。時計の人形たちが生きて動き出し、二ナはお姫様となって、魔法にかけられた生き物たちの森へと連れられていく。
ロシア人のスタレヴィッチ監督はストップモーション・アニメーションの先駆者の一人。自ら製作した人形を用いた手作りの作品は、豊かなディテールと革新性、詩情に溢れている――動物やアニメーションで動くぬいぐるみ、架空の、また擬人化された生き物。
モスクワに生まれ、1920年代から30年代にかけて国際的な名声を博したラディスラス・スタレヴィッチは、1920年代末にフランスに移住した。かの地で1965年に没した後は大きな脚光を浴びることもなくなっているが、現代でもティム・バートン、ピーター・ロードやテリー・ギリアムなどに大きな影響を与えている。
 

作品について About Film

大時計はまもなく真夜中を告げる。針が進み、からくり人形たちが動き出す。少女はうとうとと眠り込み、物語と空想の支配する、別の時間の中へと迷い込んでいく……。
アニメーション映画の草分け、ラディスラス・スタレヴィッチ(1882〜1965)にとって、映画とは「夢を現実の世界にあらわすこと」であった。
昆虫学者であったスタレヴィッチは、ロシアで映画監督として活動を始め、その名を知られるようになる。1920年代に国際的な名声を博した後フランスに移住、パリ近郊にスタジオを構え、家族に支えられながら作品を制作し、キャリアを重ねた。
スタレヴィッチは架空の、擬人化された生き物を作り出し、波瀾万丈の末に最後はジョークや目配せで幕を閉じる物語の中に登場させる。独学で映画を学んだスタレヴィッチは、手作りの人形たちをまるで時計技師のような精密さでコマ撮りし、アニメーションに収めた。もの言う花、牡蠣や葉巻の中から現れた踊り子たちが、優雅に、表情豊かに動き回り、時にその姿を変えていく。手作業で色付けされた絵や、まるで瞳孔が閉じるように画面が切り替わるディゾルブ、背景合成、あるいはズーム効果といった革新的な特殊効果など、彼の作品には、無声映画特有の技術がふんだんに盛り込まれている。遊び心と創造性溢れる演出、伝統的な手作りのアニメーションに特有の無邪気さと様式的な美意識は、ティム・バートン、ピーター・ロード、テリー・ギリアム、レイ・ハリーハウゼンといった著名な監督や技術者たちに影響を与えた。
『魔法の時計の物語』は、1924年から1928年の間に制作された短編集である。2003年に復元された際、ナレーションと音楽が加えられた。「歌うたいの少女」は、人間の世界に人形が登場する物語。スタレヴィッチ映画のスターである監督の娘(その名も「ニナ・スター」!)も出演している。「かわいいパレード」では、子どものおもちゃや動物、果物までもが動きだし、不思議な冒険を繰り広げる。中世が舞台の「魔法の時計」では、ニナが夢の中でお姫様になり、スタレヴィッチが生み出した物語の中へと迷い込んでいく。彼の魔法にかかった動物や植物たちは、スタレヴィッチの自然に対する愛情の表れであろう。やがて少女が目を覚まし時計の針を止めると、人形たちはぐったりとし、物語の時は止まってしまう。物語は、スタレヴィッチの夢を通してのみ存在するのだ。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
8月4日(土)、8月5日(日)、8月11日(土)、8月12日(日)、8月18日(土)、8月19日(日)、8月25日(土)、8月26日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。