『エルミタージュ幻想』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『エルミタージュ幻想』
Russian Ark

“時”の恵み:歴史、時代、時間
2012.5.3(木)~5.27(日)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。

 

『エルミタージュ幻想』Russian Ark

2002年/ドイツ=ロシア=日本/96分/カラー/ 35mm​

出演:セルゲイ・ドレイデン、マリア・クヅネツォア
特別出演:ワレリー・ゲルギエフ 
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
脚本:アナトリー・ニキーフォノワ、アレクサンドル・ソクーロフ
撮影:ティルマン・ビュットナー
視覚コンセプトと基本イメージ構成:アレクサンドル・ソクーロフ
創作コンサルタント:セルゲイ・イワノフ
オリジナル音楽演奏:ロシア国立エルミタージュ交響楽団
音楽演奏:マリーンスキー歌劇場管弦楽団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
プロデユーサー:アンドレイ・デリャービン
字幕:太田直子
翻訳:西 周成
資料翻訳協力:西 周成、松澤一直、田丸理砂 
フォトクレジット:© 2002 Aleksandr Sokurov
エルミタージュ美術館内を舞台に、ロシア近・現代300年間の歴史を、映画史上初の90分ワンカットの手法で描いたソクーロフの代表作。
実在したフランス人外交官キュスティーヌ伯爵とソクーロフ自身のナレーションに導かれ、数多くの歴史上の出来事を刻んできたエルミタージュの各部屋を巡ってゆく。観劇するエカテリーナ大帝、ニコライ1世に謁見するペルシャの使節、悲劇的な最後を迎えるニコライ2世の家族の晩餐……。帝政ロシアから共産革命前夜まで、幾層にも重なった時代が迷宮のような幻想的な作品は文字通り90分一呼吸の緊張を含んでいる。
 

作品について About Film

目を閉じて。そして、カメラの視線と一体化したまなざしを持つ、姿を現さぬこの映画の語り手と同じように、再び目を開け、このロシアの方舟に乗り込んで、時間旅行へと旅立つ準備をしてほしい。あなたはこの巨大な船、この宇宙船の上を、ステディカム*の魔法による無重力状態でくまなく巡り、探検することになる。
方舟というのは、サンクトペテルブルクの名高い美術館、エルミタージュのことだ。それは失墜したツァーリたちの権力の象徴であり、ネヴァ川の河岸に長々と横たわる座礁した記念碑。壮大な広間から長い回廊へと進んでゆく語り手を導くのはキュスティーヌ侯爵――この歴史上に実在した謎めいた人物もまた、魔法でここに連れてこられたのだ。二人は連れ立って、展示された名画名作を鑑賞し、会話する。カメラは絵画の上に名残惜しげにとどまる。まるで、過去から生き残るべきなのは芸術のみだ、とでも言いたげに……。
二人は300年の時を遡りながら過去の出来事を生き、現代の歴史を連想し、そしてアレクサンドル・ソクーロフが郷愁をこめて蘇らせるさまざまな君主たちに出会う。組になった踊り手たちが、ロシア革命前に催された最後の舞踏会の一つで楽しげにワルツを踊る。招かれた客たちは、広い階段を、まるで最後の旅に出るかのようにゆっくりとおりていく。不動の石の方舟、エルミタージュは健在だが、監督の手で再現された世界は間違いなく沈んでいったのだ。
こうしてロシアの歴史が当時の装いで再現されるだけでなく、観客はソクーロフに導かれて時の戯れに迷い込み、不思議な体験をすることになる。映画は過去の中で行きつ戻りつするだけでなく、常時、異なる二つの時間を結び合わせてもいる――語り手と侯爵の生きる映画の中の時間と、映画が撮影されている時間と。この二つが溶け合って一つの時間となり、ワンカットの96分となる。この技術的偉業は、フィルムとその撮影時間の限界を打ち破ったデジタルカメラによって可能となった。こうしてソクーロフは、アルフレッド・ヒッチコックの『ロープ』やシネマ・ヴェリテが抱いた映画の夢に向かってさらに前進することができたのだ――人生(それが現実のものであれ虚構であれ)の時間と映画の時間を等しくすることで芸術を人生に近づける、全編ワンカットという夢に。

アレキサンドル・ティケニス(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
5月3日(木・祝)、5月4日(金・祝)、5月5日(土)、5月6日(日)、5月12日(土)、5月13日(日)、5月19日(土)、5月20日(日)、5月26日(土)、5月27日(日)

上映時間
11:00/14:00/17:00
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。