『色とファンタジーⅣ』| エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Studio

『色とファンタジーⅣ』
Colours and fantasy Ⅳ

色とファンタジー
2004.10.23(土)~12.11(土)

ル・ステュディオは銀座メゾンエルメス10階にある40席のプライベートシネマです。

 

『色とファンタジーⅣ』Colours and fantasy Ⅳ

1. The Orchestra オーケストラ
1990年/ポーランド/58分/カラー

監督:ズビグニュー・リプチンスキ
製作:エクス・ニヒロ、ズビグ・ヴィジョン、カナル・プリュス、PBS、NHK

6曲の異なるクラシック音楽の調べにのせて、ルーヴル美術館や、パリのオペラ座、シャルトルの大聖堂など様々な背景の中を、登場人物達が動き回り、踊り、姿を現してはまた消える。ハイヴィジョン・ヴィデオで撮影されたこの作品は、トリック撮影の多くの技術的可能性を探究した傑作である。コンピューターによって完全に調整され、そして記録されることによって、数千キロも離れたアメリカ合衆国で撮影されたダンサーたちが、こうしたヨーロッパの名所にまるで「はめ込まれている」かのように見える。ズビグニュー・リプチンスキが、こうしてヴィデオグラフィックの複雑な技術によって創り出したのが、まさにそうしたシュールレアリスト的な世界である。この素晴らしい白昼夢へ私たちを誘うのは、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」やショパンの「葬送行進曲」、アルビノーニの「アダージョ」、ロッシーニの「泥棒かささぎ」、シューベルトの「アヴェ・マリア」、ラヴェルの「ボレロ」である。

2. Le Canard à l’orange 鴨のオレンジソース蒸し
2002年/フランス/9分/カラー

監督・脚本:パトリック・ボカノウスキー
出演:フランソワ・ローゾン(ワニ)、パトリック・ボカノウスキー(女)
編集:オリヴィエ・エスマン、パトリック・ボカノウスキー
音楽編曲:ミシェル・ボカノウスキー

『鴨のオレンジソース蒸し』は、少々辛辣で、見るものに不安を抱かせるような物語である。男だか女だかわからない「主婦」(この人物はパトリック・ボカノウスキー自身によって演じられている)が、物憂げなワニと、幻覚にとらわれたように踊り始める……。そこでは鴨のオレンジソース蒸しの作り方も描かれていて、鴨はゆっくりととろ火で焼かれているのだが、幸運なことに、いつしか窓から逃げ出してしまう……。 音楽はミシェル・ボカノウスキーが担当している。

3. Destino デスティノ
1946年・2003年/アメリカ合衆国・フランス/7分/カラー/アニメーション

監督:ドミニク・モンフレ、モントルイユ・ディズニー・スタジオ
デッサン原案:サルヴァドール・ダリ
フォトクレジット:​© Disney

1945年、ウォルト・ディズニーは、当時ヒッチコックの『白い恐怖』の美術デザインに携わっていたサルバドール・ダリと出会う。ダリは長いことディズニーを高く評価していたので、彼からの申し出を快諾する。その申し出とは、『ファンタジア』と比較し得るような大企画である長編アニメーションの一挿話を担当することであった。 ダリは、このアニメの下絵として何枚ものスケッチやストーリー・ボードを手掛ける。そこにダリが見ていたものは「時間の迷路の中で生きる数々の問題」が凝縮したようなもので、ディズニーは、「愛を求めている少女のシンプルな物語」を思い描いていた。この作品を実際に世に送り出したのは、ジョン・ヘンチである。1946年に、ディズニーは経済的な問題からこの少々常軌を逸した企画を中止してしまい、以来この作品は戸棚の奥深くにしまわれてしまう。それから57年の歳月が経ち、ロイ・ディズニーのてこ入れとジョンの助力によって、本作品は、パリ近郊にあるモントルイユのディズニー・スタジオによってついに日の目を見ることとなった。こうして名高いディズニーという商標のもとに最新作が生まれることになったのである。  『デスティノ』は、ダリの絵画が目覚め、動き出す作品だ。彼の作品の中で非常に馴染み深い時計や、砂漠などが目の前で動き出す。私たちは、ダリ独特の世界に入り込み、彼の創造物たちと一緒にその世界を散策するという特権を得ることができるのだ。
 

作品について About Film

『オパール』
1980年、スピグニュー・リプチンスキは、地形とトポロジーとの間の混乱を極めた関係について追求したカルト的映画、『タンゴ』を監督しました。それから10年後に撮られた『ジ・オーケストラ』は、リプチンスキがエドガー・アラン・ポーとジェラール・ド・ネルヴァルの間をさまよっているような、毒のある、幻想的な物語が様々に変化していく様を追った華麗な一節です。  「色とファンタジー」シリーズもこの第4回目で幕を閉じますが、今回は、無意識という名の扉を打ち響かせる影の領域を巡るプログラムとなっています。  パトリック・ボカノウスキーは、『天使』によって、映画史の形而上学的次元にある最も美しいアニメーション作品のひとつを創り上げました。ボカノウスキーの、今回の上映作品である『鴨のオレンジソース蒸し』においても、フロイトの著作の中でも最も素晴らしい題材のひとつである「不気味なもの」に向けられたその考察が継続されています。  「色とファンタジー」のシリーズを締めくくるにあたって、ウォルト・ディズニーの才能とサルバドール・ダリのそれが結びついて生まれた7分ほどの逸品『デスティノ』—昨年ニューヨークで発見された、まさにちょっとした傑作—をご紹介します。この類い希なコラボレーションによって生まれた『デスティノ』は、シュルレアリスムの芸術、そしてその神話の神髄を語り、明らかにしてくれることでしょう。つまり形象、記号の置き換えや圧縮によって作用する夢の記述ともいえる方法で、それこそが、今回、このシリーズ最後のプログラムとして選ばれた3つの作品の原理ともいえるのです。

パトリック・バンサール(ル・ステュディオ プログラム・ディレクター)
 

上映スケジュール Schedule

上映日
2004年10月23日(土)~12月11日(土) 毎週土曜日

上映時間
11:00/14:00/16:30
 

会場 Access

銀座メゾンエルメス  ル・ステュディオ
(東京都中央区銀座5‐4‐1 10階 TEL: 03-3569-3300)
 

予約 Reservation

※このプログラムの上映は既に終了いたしております。