「メゾン四畳半」藤森照信展 | エルメス - Hermes

GINZA MAISON HERMÈS

Le Forum

「メゾン四畳半」藤森照信展
Maison 4 1/2 by Terunobu Fujimori

2007.3.17(土)~6.10(日)

2007年の最初の展覧会は、メゾンの中にメゾン―エルメスのメゾンであるビルの中に四畳半のメゾン(家)を出現させる、ワーク・イン・プログレスとその完成形の展示を合せた展覧会「メゾン四畳半」藤森照信展を開催いたします。

藤森は四畳半という面積を、人間が生活する上での最小の空間かつ、日本の住宅の基本サイズと捉え、四畳半のメゾンの雛形を用意します。メゾンには人間が生活する上での最小限の条件として、「火があること」「寝る場所であること」「人を招くことができること」「文化的要素」を備えるものとし、それぞれ漆喰、焼き杉、杉の無垢材をテーマに、住人たちが自らメゾンを設計し制作してゆきます。

建築史家として藤森は、近代日本建築史や都市史に関する研究と文筆活動を専門としていましたが、1991年、45歳にして初の建築作品を手がけ建築家としてデビュー。世界の最先端を行くとされる日本の現代建築の中に、藤森の建築は奇想天外な表現として突如現れました。自然素材を全面的に荒々しく使い植物を取り込んだその姿は、建築界が向かう方向とはまったく逆の「前衛」だったのです。職人の手業を生かしつつ、さらに藤森本人や友人、施主からなる「素人」集団の手仕事が加わるところも特徴です。

今回、四畳半のメゾンの住人は、メゾンエルメスの住人であるエルメスジャポン社員を中心とした建築の「素人」たちです。住人たちは自分たちのメゾンとして必要な4つの要素を自由に発想し、実際に手を動かして作っていきます。会期中、フォーラムへの来場者に家づくりに参加していただく機会もあります。
自然素材を生かしながら伝統を乗り越え、原始的な手仕事によって近代技術を乗り越える、その「野蛮ギャルド」な藤森の試みが、ここメゾンエルメスに立ち現れる様子をどうぞお楽しみください。

アーティストメッセージ

自分の家は自分で作ろう。


本格的な家はむづかしいにしても、友を呼んでご飯を食べ、
寝泊りできる程度の仮設的な家なら誰にでも出来る、はずである。

かつて人類はそのようにして最初の住いを作り、
今も、子供たちは“基地”づくりを楽しむ。

さいわい日本には、自分でも作ることのできる程度の大きさの
“住いの原型”というものがある。
四畳半である。
畳を敷いても敷かなくてもいいが、2.7m四方の中で、
日本人は最小限の住生活を送れる、と考えてきた。
縄文住居もほぼこんな広さだったし、
中世の鴨長明や兼好法師が結んだ庵(いおり)も四畳半。
庵を基に成立した茶室も四畳半をベースとする。

2.7m四方の面積を囲んで、壁を立て、屋根を架け、入り口と窓を開け、
中に、炉を切り、ベッド(布団)を置き、本を読み文を書くための机を置き、
花や大切な物を飾る棚を付け、友が座るためのスペースを設ける。

このようなテーマにエルメスの3組が取り組み、会期中を通して、工事を進める。
指導は私、藤森照信。
使う材料は木質パネル、漆喰、焼杉、アコヤ貝、金箔、銅板などなど。
漆喰塗りやアコヤ貝張り、金箔張りなどは、来館者も工事に参加できます。

はたして、どんな自分の家ができあがるのか、楽しみである。


藤森照信
2007年3月17日

 

アーティストプロフィール Artist Profile

藤森照信 Terunobu Fujimori

1946年、長野県茅野市生まれ。現在、東京大学生産技術研究所教授。
東北大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院および生産技術研究所で村松貞次郎に師事し、近代日本建築史を研究する。専門は日本近代建築史、都市史、生産技術史学。工学博士。
1974年、研究仲間と東京建築探偵団を結成、やがて全国の研究者と共同で各地に残る近代洋風建築の調査を行い、『明治の洋風建築』(至文堂)の著作を残す。また、1986年には建築学会にとどまらないメンバー、赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を結成し、都市のフィールドワークとしての街歩きを実践し続けている。
建築史家として研究と文筆活動を専門としていたが、1991年、郷里の長野県茅野市の依頼で『神長官守矢資料館』を設計し、45歳にして建築家としてデビューする。自然の素材を大胆に使った設計には独特な魅力があり、赤瀬川邸『ニラハウス』や自邸『タンポポハウス』、細川護熙の自宅兼アトリエ『不東庵』、茶室の『一夜亭』などを手がけ、話題を集めるようになる。
主な受賞歴は論文・著作では、1983年『明治の東京計画』(岩波現代文庫)で毎日出版文化賞、1986年『建築探偵の冒険・東京篇』(ちくま文庫)でサントリー学芸賞、1998年「日本近代の都市・建築史の研究」など一連の論文で日本建築学会賞。作品では1997年『ニラハウス』で日本芸術大賞、2001年『熊本県立農業大学校学生寮』で日本建築学会賞作品賞を受賞している。
2006年には第10回ヴェネツィア・建築ビエンナーレ日本パビリオンのコミッショナーに就任。「藤森照信と路上観察―誰も知らない日本の建築と都市」展を発表した。
 

開館時間 Opening Hours

月~土 11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日   11:00~19:00(最終入場は18:30まで)

基本情報 Information

会期
メゾン制作展示期間  2007年3月17日(土)~4月30日(日)
完成形メゾン展示期間 2007年5月1日(火)~ 6月10日(日)
休館日: エルメス銀座店の営業日に準ずる
入場料:無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5‐4‐1 8階 TEL: 03-3569-3300)