新しいアトリエのかたち、フィティリューのアトリエ

エルメスをつくる人々

新しいアトリエのかたち、フィティリューのアトリエ

2017年にエルメスが署名した障がい者に関する協定の方針に沿って計画されたフィティリューのアトリエは、2019年6月に完成しました。このアトリエは設立の段階から、障がいを持つ方を含む皮革職人研修の拠点として構想されました。

エルメスの職人であるということは、生涯にわたって学び続けるということを意味します。このことは、イゼール県北部、レ・ザブレ=アン=ドフィネの新しいエルメスの研修施設で皮革のノウハウを教える皮革馬具職人にとっても同じです。彼らの中には、普段の仕事の枠を超え全く別のことを学ぶ者もいます。例えば、4年間かけて、手話を習得するといったように。

この学びは、聴覚に障がいを持った研修生と円滑にコミュニケーションを取ろうとしてのことでした。サヴォワ=ドフィネの拠点にある3つのアトリエ(イゼール県のレ・ザブレ=アン=ドフィネ、アン県のベレー、オート・サヴォワ県のエクス=レ=バン)への配属に先立って、障がいを持った研修生も含めた全員を等しく暖かく迎え入れられるようにしています。

こうした取り組みは、エルメスが障がいを持つ方を含む研修生に対し、メゾン内でどのようなトレーニングを行うかということを、プログラムのモデルとなる構想段階から関わっていることを示唆しています。エルメスの目標は、たとえば読字や書字に関してなど、特定の障がいを抱える人々のために個々に適応させたトレーニングプログラムを構築することです。

新しく建設された施設では、障がいを持つ研修生も快適に過ごすことができるよう、法定基準以上のバリアフリー環境を実現しています。

トレーニング施設のすべてのトレーナーは、「URAPEDA SUD」による聴覚障がい者とのコミュニケーションに関するトレーニングのほか、外部障がいのみではなく内部障がいも含む多様な障がいについて知識を深めるための「JLO Conseil」によるトレーニングを受けています。

フィティリューのアトリエの研修候補者を募集する際には、一般的な職場において障がい者雇用の促進に取り組む団体「Ohé Prométhée」や、障がい者雇用に関係する団体「Groupement d’employeurs travailleurs handicapés(GETH)」など、地域の各団体と連携しています。

こうした活動は、多様な人材の雇用を目指すサヴォワ=ドフィネの皮革アトリエにおける取り組みの第一歩です。今後、初期研修もしくは高度な研修を年間80人に対し実施することを目標としています。2018年末時点での従業員数は750人ですが、今後3~4年間で850人規模に拡充させる予定です。

 

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