シリーズ「世界をめぐる足跡」| Hermes

持続可能な発展

“Footsteps across the world”
世界をめぐる足跡

エルメスは、自らを取り巻く人々や環境との永続的な関係とともに、時を超えて愛されるオブジェ(製品)をつくりたいと考えています。

そうしたメゾンの足跡を、映画やドキュメンタリー作品の監督としてフランスの最も優れたジャーナリストに贈られる「アルベール・ロンドル賞(Prix Albert Londres)」を受賞したフレデリック・ラフォンがたどります。ヒューマニズムの視点から、ファインダーを通してあるがままに映し出されるエルメスの足跡。

湧き上がる好奇心に導かれるまま人々の物語をたどり、さまざまな手仕事を追いかけ、さまざまな場所をめぐりながら、新たな発見を求めて、世界中のあらゆる地へ。シリーズ「世界をめぐる足跡」では、持続可能な発展への、エルメスならではの取り組み方がありのままに描き出されています。

香港、中国

世界各地に15カ所あるエルメスの修理を承るアトリエは、魔法使いの秘密の小部屋のような場所です。長い時間を経て刻まれた勲章ともいえる痕跡を愛で、丁寧に癒してくれる場所。香港の修理アトリエは金鐘地区に建つ高層ビルの22階にあります。クリステル、ファリド、アレクサンドルの3人が、愛用され、使い込まれたエルメスのオブジェが彼らの魔法を必要とし、アトリエにやってくるのを待っています。

彼らはフランスの皮革アトリエで技を磨きあげた熟練の職人たち。この隠れ家では表舞台に立つことはありませんが、ハンドルを交換し、色合いを修復し、ふたたびサドルステッチをかけ、お客様に愛されてきたバッグの魅力を蘇らせます。修復し、修繕すること、それこそが皮革職人としての職分なのです。

東京、日本

彼女が持つ漆黒の艶が美しいケリーバックには、母との思い出というたからものが詰まっています。彼女が毎年エルメスで買い求めるアジャンダには、4歳から記してきた日記がページに刻まれ続けています。

そこにあるのは、よりどころになる想い出や、彼女だけの物語。それこそが、自分が主人公になるという贅沢なのです。

ロンドン、英国

エルメスは、英国人イラストレーターのアリス・シャーリーをはじめ、さまざまなアーティストとコラボレーションしています。そこから生まれる多彩なモチーフやプリントを通じて、地球の美しさや豊かさを表現し、敬意を表しているのです。

パリ、フランス

壁に貼られた図案や模型、試作品……フォーブル・サントノーレ24番地の5階で40年間鞍職人として働き続けるローラン・ゴブレのアトリエは、新しいクリエーションが生まれるデザインスタジオでもあります。ドイツ人の馬場馬術の世界チャンピオン、ジェシカ・フォン・ブレドウ=ヴェルンドルさんとの協働で生まれた《アルページュ》は、形はシンプルながらも夢のように軽く、乗り手と馬にフィットする、まるで芸術品のような鞍です。

鞍橋、騎座、あおり革、腹帯ーエルメスが150年以上の時を経て培ってきた技術が注ぎ込まれ、はじめて調和が取れた馬具が完成するのです。

ソレード、フランス

フランス南部にあるソレード村。ここでは、馬の仕事が自動車やトラクターに取って代わられるまで、数百人の住民がミコクリエと呼ばれるニレ材を編み上げ、乗馬用の長鞭や短鞭をつくり続けてきました。アルベール山塊の麓には、今なおこのしなやかで丈夫な木材を使って鞭を製造しているアトリエが、知的障がい者の施設の中にあります。

エルメスはこのアトリエに、一部の短鞭と馬場馬術用キットの製作を依頼しています。こうすることで、このオブジェが時代を超えて受け継がれていくことが約束されるのです。

京都、日本

エルメスが長年探し求めていたマーブルプリントの技術。この特別な技法に、京都でめぐりあうことができました。色付けした澱粉ペーストを巧みに組み合わせて圧縮し、絹布にマーブル模様をプリントする独自の技法です。この技法は、野瀬家が代々営んできた「京都マーブル」によって守り続けられてきました。

パンタン、フランス

白衣を着た彼らのニックネームは、「blouse brothers(ブルーズ ブラザーズ)」(「blouse」はフランス語で「作業着」のこと)。本名はリオネルとアンドレ、プリュドム家の兄弟は、そろってパンタンの皮革アトリエの現場主任を務めています。彼らは、約40年におよぶエルメスでの経験によって研ぎ澄まされた技術を生かし、細部にまで目を行き届かせながら貴重なアドバイスをする指導者です。最高のバッグをつくるのに欠かせない完璧な仕上げの秘訣を、日々、アトリエの職人たちに伝えています。

ロンドン、英国

高さ98メートルの公営集合住宅、トレリック・タワーの足元に、ゴールドフィンガー・ファクトリーはあります。ウェストロンドン地区は恵まれない環境にありますが、ここでは、捨てられた資材が価値あるものへと生まれ変わります。

エルメス財団のサポートの下、若者たちは見習いとして働くうちに才能を開花させていくようになります。再生された木材や鋼板は、スタイリッシュな家具へと姿を変えるのです。現地のライフスタイルを重視した社会支援プロジェクトです。

コングシ、ブルキナファソ

地面に鍋を伏せて置き、型を取ります。それから、シロアリが住んでいるアリ塚、藁、ロバの糞を用意しましょう。さあこれで、環境に優しいかまどに必要な耐熱材料が揃いました。

ブルキナファソのコングシで活動する非営利団体「ティパールガ」は、環境汚染を減らしながらも生活環境を改善するために、女性たちに薪を効率良く燃やせるかまどの作り方を教えています。エルメスはライブリフッズ(Livelihoods)基金を通じて、この活動をはじめ、現地でのさまざまなイニシアティブをサポートしています。

モンブロン、フランス

のんびりと草を食むリムーザン牛たちをかわしながら、牧草地の中をゆるやかに蛇行するタルドワール川。モンブロンはこの絵葉書のような景色の中に溶け込み、長らく忘れられた町となっていました。

しかし2015年、エルメスがこのシャラント県の町に皮革アトリエを開設したことにより、住民2200人の生活は大きく変わりました。転入する世帯が増え、学校は生徒たちで賑わい、町には再び活気が生まれつつあります。まさに復活を遂げたのです。

エルメスの足跡

  • Les femmes et les hommes

    エルメスの男女合わせて1万3500人の従業員のうち、最も多いのは職人で、その数は4500人にのぼります。人が核となる手仕事の世界には、変化がつきものです。職業訓練を行い、技術を伝承し、成長を促し、健やかで幸せな生活を守り、絆を築く……。 エルメスはこうしたアプローチを通して、エルメスで働くすべての人それぞれの自己実現をサポートすることを目指しています。
  • The Planet

    エルメスは、約20の製品部門において、自然がもたらしてくれるこの上ない素材を、いっそう美しく輝かせるよう努めています。エルメスの職人による手仕事には、レザーやシルク、織物、木材、クリスタル、貴金属といった素材への敬意が絶えず込められています。
    貴重な資源を守り、最適な用途を考え、再び価値を与え、形作る……。私たちには、こうした資源を持続可能な形で使うという義務があります。
  • The communities

    エルメスは世界に52の生産拠点を有し、そのうち41カ所はフランス国内にあります。また、世界各地に300以上の店舗を展開しており、それぞれの地域において、サプライヤーやパートナー、地域との密接な関係を築いています。暮らしを豊かにし、協調し、革新をもたらし、積極的に取り組むこと。地域に根ざした企業として、持続可能な絆を築いていくこと、それが私たちの役割なのです。