磁器を彩るゴールドライン | Hermes

エルメスをつくる人々

磁器を彩るゴールドライン

磁器に施される金の縁取りは、陶器の装飾技法の中でも特に繊細で緻密な作業です。ノントロンにあるエルメスのアトリエでは、小さなボウルから大きな花瓶、大皿や小皿、スープチューリンまで、さまざまなタイプの磁器がつくられています。このノウハウを受け継ぐ8人の金彩職人は、ゴールドやプラチナ、さまざまな色の絵の具を浸した筆を使い、多種多様なフォルムの磁器に手作業で装飾を施していきます。
流れゆく水のようになめらかに、髪の毛のように細く、または帯状に太く。美しく描かれたラインは光を捉え、磁器に華やかな輝きをもたらします。磁器が食卓でそのきらめきを放つまでには、さまざまな工程があります。ドルドーニュ県のノントロンにあるアトリエでは、リモージュで製造された白磁に手作業で装飾を施し、再び焼成し、砂を使って研磨します。金やプラチナ、その他の色を使った縁取り装飾は、CATE(Compagnie des arts de la table et de l’émail)が得意とする専門技術です。150人の職人のうち、この技法を習得している職人は8人。リス毛の穂先を斜めにカットした、ラウンドスラントという形状の筆を使います。
両手はそれぞれ別の動きをします。まず、磁器をろくろの中心に据えます。この芯出しという作業も難しいのですが、その後に続く作業はさらに高度です。片手でろくろを一定の速度で回しながら、もう一方の手で筆を握り、磁器の縁を一周するように均一な幅のラインを描かなくてはなりません。その後、窯入れと研磨を経て、金やプラチナ、色鮮やかな絵の具で描かれた繊細なラインは、まばゆい輝きを放ちはじめます。


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エルメスの足跡

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  • The Planet

    エルメスは、約20の製品部門において、自然がもたらしてくれるこの上ない素材を、いっそう美しく輝かせるよう努めています。エルメスの職人による手仕事には、レザーやシルク、織物、木材、クリスタル、貴金属といった素材への敬意が絶えず込められています。
    貴重な資源を守り、最適な用途を考え、再び価値を与え、形作る……。私たちには、こうした資源を持続可能な形で使うという義務があります。
  • The communities

    エルメスは世界に52の生産拠点を有し、そのうち41カ所はフランス国内にあります。また、世界各地に300以上の店舗を展開しており、それぞれの地域において、サプライヤーやパートナー、地域との密接な関係を築いています。暮らしを豊かにし、協調し、革新をもたらし、積極的に取り組むこと。地域に根ざした企業として、持続可能な絆を築いていくこと、それが私たちの役割なのです。