オブジェの秘密

カレ《クーペ・タトゥアージュ》のデザインより。
19世紀に活躍した馬車を集めた本のなかには、実にさまざまな4輪箱型馬車(クーペ)が見られます。市街で用いられた小型の4輪箱型馬車(プティ・クーペ)は、馬につながれ、御者のわきには馬丁の姿が見られます。郵便馬車は、後部が座席に、前部がトランクになっています。このほかにもドルセー伯が生み出したエレガンスそのもののクーペ・ドルセー、クーペ カレ、ラウンドクーペなどが見られます。19世紀末に初めての自動車が誕生し、蓄電池が馬にとって代わったものの、この当時すでに「caisse (ケッス) 」と呼ばれていた座席ボックスは温存されました(注:今日、自動車は俗語でケッスといわれる)。1898年の6月に、フランス自動車クラブの主催で「辻馬車自動車」のコンクールが開催されています。1970年に初めて登場したカレ レ・クーペには、さまざまな車のフロントとサイドが描かれています。かたどったパーツを組み立てる子供向けの紙遊びのように、非常にシンプルなフォルムでべた塗りされたコンポジションは、パーフェクトなバランスで抽象絵画のような印象をもたらしています。このコレクションのグラフィックなデザインは、バイカラー使いによっていっそう際立っています。