オブジェの秘密

1873年に出版されたフランス料理の本が、ピエール・マリーに新たなデザインのヒントをもたらしました。『パティスリーの書』が四冊目の著作となるジュール・グッフェは、装飾菓子ピエスモンテで知られたパリの菓子職人の息子で、エルメスのすぐそば、フォーブル・サントノーレ通りに店を構えていました。グッフェはやがてその才能ゆえに「装飾料理の使徒」との称号を得ることになります。彼のつくるピエスモンテの美しさは、美食家が思い描く夢の世界への招待。ピエール・マリーは魅了されました。アーモンド生地のタンバル、ピスタチオのクロカンブーシュ、色付けされた砂糖、ヌガティーヌ、クリーム、シュー、装飾を施したケーキスタンド……これらから形づくられる贅沢な装飾菓子の饗宴がシルクの上で繰り広げられ、デザイナーのあふれるばかりの想像力を証明しています。